【業界取材】ホールに訪れる外国人観光客が増えている理由を調査してみた

2018/07/01

特集

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    毎週のようにホールに通っていると、色々なお客さんがいることに気付きます。長髪サングラスで威厳たっぷりのお爺さんから、思わず2度見してしまうような超美人(美人の隣の台はやたら稼働率が高いと思う)までさまざま。
    しかし、最近になって3度見してしまうような事態が起きました。なんと、グラマラスな外国のお姉さまたちが遊技をしていたのです! 思い返してみれば、ホールで外国の方を見かけることが昔に比べて増えてきました。なぜ彼らは数ある観光スポットの中から、パチンコホールを選んでいるのでしょうか?

    気になったP-Summa編集部は、インバウンド(外国人観光客誘致)事業を展開し、パチンコ業界の外国人事情にも詳しいという(株)アガルタを取材してみました!

    ホールに外国人観光客が増えている理由は?

    アガルタに訪れた編集部員を出迎えてくれたのは、なんと取締役副社長である服部さん。若干緊張気味の編集部員でしたが、かなり気さくな方で、ホールに外国人観光客が増えている理由を丁寧に教えてくれました。 まず、日本での観光のあり方が大きく変わってきたのは2015年くらいから。「爆買い」が流行語大賞になったように、かつては「買い物」が観光のメインでしたが、今は「体験」へシフトしているそうです。

    日本のアニメが海外で人気なのは周知の事実で、最近のパチ&スロはアニメとのタイアップ機が豊富。アニメの世界を「体験」できるパチンコホールに興味を持つ外国人観光客が増えたのは、自然な流れなのだとか。

    実際に北米最大のアニメイベント「アニメエキスポ2017」には日本のパチンコ・パチスロブースが出展し、大きな注目を集めました。この時に行われたアンケート調査では、「日本に来たときにパチンコ・パチスロを遊んでみたいですか?」という質問に91%が「YES」と回答。 日本の文化であるパチンコは、着実に世界へと広がっているのですね!

    しかし、別のアンケート調査によると、「パチンコに興味はあるが、パチンコ店が入っていいところなのかどうかわからない」という外国人も多いとのこと。そこでアガルタでは、外国の方でも気軽にパチンコホールに来店できるよう、さまざま取り組みをはじめたそうです。 aga001 例えば、空港やホテルにパチンコの遊技方法を掲載したガイドマップを設置したり、海外で11万部も発行されている雑誌にホール広告を掲載したりして、外国人観光客に対し、日本にはパチンコという遊びがあること、自分たちにもできることを知らせています。

    さらに同社が運営する多言語ポータルサイト「PACHINKO-PLAY.COM」では、外国人観光客を歓迎するホールの情報や遊技説明動画を紹介することで、はじめてのパチンコに対するハードルを下げているのだとか。 これらの取り組みが功を奏し、ホールに訪れる外国人観光客が増加。主な客層は20~30代の若い世代で、ホールによっては毎月300人ほど来店するそうです。

    来店した外国人観光客に遊技してもらう取り組みも!

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    ホールに訪れる外国人観光客が増えたことで、アガルタは次のステップに入りました。来店だけでなく、遊技してもらう取り組みも加速させたといいます。ルールやマナーなど基本的なことを説明する「多言語店内アナウンスCD」や、玉の借り方から景品交換の仕方までを説明する「多言語ガイドブック」を作成。外国人観光客を歓迎するホールはこれらを使用し、遊技される方を増やしたとのこと。

    以前は外国人観光客がホールを訪れても、何となく店内を眺めて、遊技せずにそのまま出ていってしまうことが多かったそうです。だからと言って多言語を使いこなせるスタッフを常駐させるのは難しい……。そこで活躍するのが、多言語ガイドブックやアナウンスCD。一部のホールでは、多言語ガイドブックを無料配布しており、ガイドマップ片手にジェスチャー混じりで説明するだけでも、多くの方が実際に遊技されるのだとか。

    外国人が好むパチンコの傾向は??


    ホールに訪れる外国人観光客が増えている理由はわかりましたが、ここで新たな疑問も生まれました。「外国の方って、パチンコとパチスロ、どっちが好きなの? どんな機種打つの??」という遊技事情についてです。外国人向けパチンコ体験ツアーを開催していたアガルタは、外国人の好みにも詳しかったので、根掘り葉掘り聞いてみました。

    まず、パチンコとパチスロでは圧倒的にパチンコが人気ということです。外国の方にとって、パチスロは初見での目押しが難しく、押し順ナビとか言われてもよく分からないので敬遠されがち。実際、ART中にミスって強制終了となったケースもあったのだとか。

    一方、パチンコはハンドルを握って、ヘソに玉を入れるだけでさまざまな演出を見られるので、好まれる傾向に。とは言っても、パチンコ初体験の場合、およそ9割の方が「右打ち」からはじめてしまうそうです。また、日本のユーザーにとって不評になりがちな、煽りに煽る弱リーチも、外国の方にとっては大好物。役物が動くだけで歓声をあげ、バンザイする方すらいるのだとか。そう、驚いたことに外国の方は、液晶にハデな映像が流れたり役物が動いたりするだけで、当たらなくても楽しんでいるのです! (※下記の外国人ガチパチンカーは除く)

    あくまで体験が目的なので、当たらなくてもいい、これには目からウロコです。もちろん、当たればより楽しいのでしょうが、パチンコ本来の「当たるか当たらないかというドキドキ」を純粋に楽しんでいるとのこと。さらに外国の方は観光目的で来日しているので、「連れ打ち」が基本。仲間とともに演出で一喜一憂するのが楽しいのだとか。

    コンテンツでは、やはりアニメが人気で、海外でも知名度のある『エヴァ』『キャプテン翼』などとのタイアップ機を打ちたいという方が多いそうです。ほかには、『アベンジャーズ』などのアメコミ原作や『必殺仕事人』のような「日本」を感じられるコンテンツ、ドハデな筐体が目を引く『牙狼』が人気。スペックでいうと、アツい演出や大当たり演出を多く見られる、甘デジや遊パチを好むそうです。


    観光地の一つとしてホールに訪れる外国人が増えつつある一方、パチンコを主な目的として来日する方、いわゆるガチ勢も増えているとのこと。インバウンドに積極的なホールが多いのは首都圏や関西ですが、福岡のホールはすでに韓国のファンをつかんでおり、スタッフ採用も韓国語を話せる方を優遇するほど。一般的な外国人観光客に好まれるのは主にアニメ系の甘デジですが、最初からパチンコ目当てで来る韓国人観光客には、現行のMAXであるミドル機が大人気。事前にスペックなどを調べてくるのは当たり前で、開店前から並んだり、目当ての台を打つためにタクシーで移動したりと、かなりのガチっぷりなのだとか……!

    このように日本の文化であるパチンコは世界に認められつつあり、噂によるとアメリカ国内にも日本のパチンコが打てる遊技場ができたそうです。しかも、カジノにあるようなジャックポットを搭載しており、見ず知らずの人とも協力して、パチンコの大当たりを狙いつつ、ジャックポットの大当たりも目指すのだとか。そこには日本人もよく知る有名人がお忍びで遊びに来ることも……!?

     

    ホールに外国人観光客が増えた理由は、観光目的の変化だけでなく、インバウンドに積極的な企業やホールの努力があったから、と言えるでしょう。今後、日本製のパチンコ・パチスロが外国の方にもっと受け入れられ、世界に進出したら、日本はその「発祥の地」として脚光を浴びるかもしれませんね!

     

    P-Summa編集部

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