【取材】新生「ニュー大根」誕生! 突然の閉店と復活までの舞台裏を聞いてみた

2021/12/30

特集

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    レア台の聖地と呼ばれ、多くのファンに愛されていた神奈川県のホール「ニュー大根」
    が今年の4月、突然の閉店。ところが翌5月には期間限定で復活し、9月のリニューアルオープンで完全復活を成し遂げました。さらに、外部から人を呼んで「1日店長」を任せるという前代未聞の企画も実施。普通のホールではちょっと考えにくいアクロバティックな動きを見せています。

    過去、二度にわたりニュー大根を取材させていただいたP-Summa編集部員。急な閉店と復活の裏には何があったのか? 1日店長企画の狙いとは? 話を聞かずして年を越すわけにはいきません!? ということで、リニューアルに伴い新店長に就任した江川さんに取材をお願いしてみました。

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    「ニュー大根」復活までの経緯とは?


    ――はじめまして! この度は取材をご快諾いただきありがとうございます! 前オーナーの江川さんには二度も取材をさせていただきました。

    どうも、その節は父がお世話になりました。

    ――あっ、もしや……と思っていましたが、やはり息子さんだったんですね! よろしくお願いします! まず4月の閉店と期間限定復活の経緯を教えてください。

    父はもうだいぶ前から「この業界はそろそろ厳しい」と言っていたんですが、遊技人口の減少と6号機に完全移行しなければならないという現実を見て、ついに閉めることを決断したようです。それが4月でした。
     


    ――びっくりしました。4月1日の告知だったので、エイプリルフールネタだと思ったファンもいたようですね。

    あの時はもう閉める方針で固まっていて、このフロアはテナントとして貸し出す予定でした。

    ――では、5月のゴールデンウイークに期間限定で復活した理由とは?

    告知から10日後の閉店ということで、あまりにも急だったため、来たくても来られなかったファンの方がいるのでは……と考え、一時的に再開しました。この時点ではリニューアルの予定なんて一切なかったんです。


    ――夏の間に一体何が……?

    テナント貸しのため、8月の中旬に手作業で解体工事を進めていたんですが、半分ほど終わったところで、僕が「ちょっと待ってくれ」と。

    ――おお……! カットイン演出を思い浮かべてしまいました。

    祖父母が立ち上げてから45年も続けてきた事業をこんな簡単に辞めてしまっていいのか、と。5月の期間限定復活で大勢のお客様が訪れてくれたことや、Twitterで悲しんでくださる声をたくさん聴けたことも後押しになりましたね。こんなに愛されているお店なら僕の手でもう一度やってみたいと思って、待ったをかけたんです。

    ――こんな熱いエピソードだったとは……。

    ただ、規模は小さくしたほうがいいと思っていたので、解体してしまった半分はテナント貸しにして、新生ニュー大根の設置台数は120台から55台にしました。

    ――台数だけじゃなく、雰囲気もずいぶん変わりましたね。

    家スロっぽい、落ち着ける雰囲気を目指しています。見通しがよくなるように、中央のパチスロのシマからパチンコの玉を管理する機械を外して、さらに床はフローリングに貼り替えました。全部自分たちで手作業でやったので……ちょっと綺麗に貼れてないところもありますね(笑)。

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    ――店内BGMも一般的なホールとは全然違いますね。爆音じゃなくて普通に会話できるレベルだし、洋楽? ジャズ? って感じの曲もパチと全然関係ないですし……。

    曲は気分で変えています(笑)。お客様に「ここ本当にパチンコ屋さんなの!?」って思われるような感じにしたいんですよ。

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    ――9月4日のリニューアルオープン当日はいかがでしたか?

    大変ありがたいことに大盛況でした。見事に満台で、座れない方もいたぐらいです。夏の間に匂わせツイートをしておいたのが功を奏したのかもしれませんが……。
     


    ――あのティザーみたいなやつですね!

    ええ。ですがやはり一番大きかったのは、先代までに築かれてきたニュー大根のブランドの力なんだと思います。本当にファンの皆様から愛されているお店なんだと実感しました。

    一風変わった設置機種の選定基準

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    ――現在の機種構成にこだわりはありますか?

    機種については悩みどころで、昔はレア台を揃えることで個性を出していましたが、今は使える機種が限られているので、なかなか差別化できません。内装などで雰囲気を変えてはいますけど、やはりほとんどのお客様は台を目当てにいらっしゃいますからね。なので、「お客様の声を聴いてリストアップし、気になる台を入れる」というやり方をしています。

    ――江川さんご自身は打つ人なんですか?

    プライベートではスロ歴3年で、そんなに熱心なユーザーじゃありません。負けて当たり前だと思っている趣味打ち勢です。個人的には「忍魂」みたいなA+ART機とか液晶なしのノーマル機が好きなんですが、機種選定はお客様の声を優先しています。

    ――自分の店、となると好きな台を入れたくなりそうですが……。

    店側が好きな台を置くのって、選定が主観になってしまいますから難しいと思うんですよ。逆にお客様の好みで構成すれば、お客様が行きたいお店になるはずなので、お客様からの声を元に候補機種リストを作っています。あとはリストの中から、ほぼ筐体のデザインだけを見て決めていますね。

    ――CDのジャケ買いみたいですね!? スペックは見ないんですか?

    一応、どんなタイプかだけは見ますけど、詳しいことは調べません。最後は主観かもしれませんが、見た目がかっこいい台、打ちたいと思われそうなデザインの台を選んでいます。

    ――では、今後気になっている6号機とかも……。

    特にないです(笑)。強いて言うならノーマルを主体にしていきたいんですが、高いですからね……。とにかくお客様の声を軸にして、お客様と共に作っていくお店にしたいと考えています。

    ――では、営業に関してこだわっていることは?

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    これまでとは違ったお客様にも来てほしくて、交換率を少し上げました。でも、等価にはしていません。6号機って設定に正直な出方をしますから、大手ホールさんも等価で設定を使うのはかなり難しいはずです。うちは長時間遊びやすい運用を心掛けていますね。あと、設定推測もパチスロの楽しみのひとつだと思っているので、レンタルの小役カウンターを置いています。

    「1日店長企画」誕生秘話


    ――「1日店長」を企画した意図は何だったんですか?

    ネット上で「設定が入ってない」とか「過疎ってる」って声をよく見かけますよね。言いたいことはわかるんですが、それでも実際にホールを経営するのがどれほど大変なのか知ってほしい……と思ったことがきっかけでした。だから1日店長企画は、あくまでもビジネスとして体験してもらうために「ホールのマイナスは全額負担」「プラスは折半」というルールにしたわけです。

    ――ユーザー目線では基本的に勝てればそれでいいですけど、ホールは利益を上げないといけないから大変ですよね。

    何より大変なのが集客です。1日店長の際も、ニュー大根のTwitterアカウントからは「1日店長企画やります」って感じのツイートをするくらいで、基本的には全部自分でやっていただきました。

    ――店長の応募はどのぐらい来たんですか?

    山ほど来ました。

    ――その中から、どんな風に選別しましたか?

    まず「どうしてやりたいんですか?」と聞いて、明確な目的をお持ちであることを第一条件とさせていただきました。また、ニュー大根は儲ける店ではなくお客様が楽しめる店にしていきたいので、目的があっても利益目当ての方はちょっと……という感じです。仮に、企画と称してひどい営業をしてしまったら、その1日店長も店も信用を失いますからね。あとは、Twitterで普段のツイートを見て、ポジティブな発信をしている方は好印象でした。

    ――なるほど! では、初代1日店長の平岡みゆきさんが選ばれた理由とは?

    平岡さんは古くからの常連さんで、人柄と人望で採用しました。当日はびっくりするほどの大盛況だったんですが、あれは完全に平岡さんの人望ですね。我々はエラー対応とか機械のサポートに回って、平岡さんにはお客様とのコミュニケーションに集中していただきました。「初めまして、Twitterの○○です」「あ、どうも!」みたいに、会話が盛り上がっているのを見て、「パチンコ屋」って本来こうじゃなきゃいけないよな……と、我々にも気付きがありました。大衆娯楽場ですからね。
     


    ――事前の打ち合わせはどのぐらいやったんですか?

    3~4回打ち合わせをして、「長く遊べるようにしたほうがいいですよ」とはお伝えしましたが、最終的な営業方針は平岡さんにお任せです。集客とか当日のやり方も全部お任せしました。ニュー大根はずっと朝は並び順だったんですけど、平岡さんが抽選方式にしているのを見て、こういうやり方もあるのか、と。これも我々の気付きですね。お客様が抽選で使ったボールを記念品として嬉しそうに持ち帰っているのが印象的でした。平岡さん側もたくさん気付いたことがあるでしょうし、双方にwin-winだったと思います。

    ――ちなみに、当日の利益は……?

    赤字ではありませんでした、とだけ……(笑)。第2回は未定ですが、またやりたいとは思っています。

    パチンコは1回交換を導入!? 「ニュー大根」今後の展望を聞いてみた


    ――1日店長以外に、今後の企画や展望はありますか?

    色々やりたいことはあるんですが、今はイベント規制が厳しくて難儀しています。6号機の規制はさておき、「イベント」はやっていいはずだとは思うんですけどね。イベントをやって一体誰が損をしているのか? という話です。

    ――ガセイベントに騙されたユーザーでしょうか?

    それは店が信用を失うだけのことであって、自業自得というか、規制するようなことじゃないですよね。逆に、還元営業をして赤字を出すのも自由のはずです。明らかに衰退している現状ですから、固定観念にとらわれず、できることを模索していきたいですね。

    ――遊技人口、どんどん減っていますからね。

    ユーザーファーストで、今はどういう台に需要があるのかを考えて、根本的なところを変えていかないと減る一方だと考えています。

    ――イベントは何かと制約が厳しそうですが……。

    イベント以外だと、パチンコは「1回交換」を導入したいと思っています。引き続き、ゆったりと長く遊べる場所にしたいですね。1日店長企画で理想像を再確認できました。友達同士、「ちょっとオオネでまったり遊んでいくか~」みたいな感覚で来ていただきたいです。業界は今後も厳しい状況が続きそうですが、こんな時こそパチンコ・パチスロの面白さを伝えていけるチャンスだと思っています。

    ――レア台はなくとも、これからも大衆娯楽場として頑張っていただきたいです。本日はありがとうございました!

     

    ゆったり座れるソファーとフローリングの床、明るい照明と控え目なBGMで、雰囲気はまさに“ちょっと広い家スロ”な新生「ニュー大根」。新体制になったことでレア台の聖地はどのように変化していくのか、今後が楽しみです!

    P-Summa編集部

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