【取材】往年の名機が100台以上! 岡山のスロゲーセン「ガラパゴス」誕生秘話

2022/11/08

特集

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    設置台数100台オーバー! この夏、岡山県に新たなスロット専門ゲームセンター「ガラパゴス」がオープンしました。在庫も合わせると、なんと500台以上も保有しているのだとか。これまで7店ものパチンコ・パチスロゲームセンターを取材させていただいたP-Summa編集部員としては、気になることがいっぱいです!

    これほどの台を一体どうやって集めたのか? オシャレな配置のコンセプトは? 新店登場の舞台裏をスロット担当の北さんとオーナーの光本さんに伺いました。

    スロット専門ゲームセンター「ガラパゴス」の誕生秘話


    ――本日はよろしくお願いします。早速ですが、「ガラパゴス」誕生の経緯をお聞かせください。

    私(北)は元々、パチスロ台のコレクターだったんですよ。集め始めたのが2019年の初め頃だったんですが、当初は自分一人で打っているだけで、ゲーセン化はまったく考えていませんでした。

    ――2019年って、わりと最近ですね。

    ええ。でも、いったん集め始めたら凄いペースで買うようになっちゃって(笑)。月10台ぐらいのペースで増えてたと思います。

    ――そんなに!? どうやって保管してたんですか?

    ちょうど倉庫を持っていたおかげで遠慮なく買えました(笑)。それで、そろそろ100台に届こうっていうあたりから、「ゲーセンやれるじゃないですか」って話が仲間から持ち上がるようになりまして……。

    ――仲間、というのは?

    我々はスロゲーセンを始める前からパチンコ業界に身を置いていて、コンサルタントをやっているんです。その仕事仲間4人で、最初は冗談で言っていたスロゲーセンを「本当にやりたいよね」という話になり、ガラパゴスを立ち上げました。

    ――おお……! 冗談が実体化していくのって、なんかワクワクしますね。

    2020年に入る頃には物件探しを始めていたと思います。

    始まりは1台の4号機? オープンまでの経緯


    ――オープンまでの道のりで楽しかったことや苦労したことは何ですか?

    オープン後の今もなんですけど、どういうお店にしようか? って話し合っている時が一番楽しいですね。苦労したのは許可に関してです。

    ――やはり、ですか。

    物件を契約してから許可が出るまで、かなりの時間がかかりましたね。スロゲーセンでもメダルを使いたいと思っていたのですが、その形式だとなかなか許可が出なくて……。色々と頑張ってみたんですが、ほぼ不可能だと分かったので、メダルレスという形に落ち着きました。

    ――許可が出ないなら仕方ないですよね。とは言え、今後ホールにはスマスロが入ってくるわけですし、メダルレスにも楽だとか触らずに済むっていうメリットがあると思います。

    そうですね。ただ、メダルレス化は当然、一台一台改造しないといけなくて。

    ――確かに……。

    それに、機械の中身もゲーセン仕様にしないといけません。実機をいっぱい持っていても、乗り越えるべきハードルが多いんですよ。

    ――台があれば店をやれるってわけじゃないんですね。

    100台以上をゲーセン仕様にするのは結構大変でしたね。お金もかかりましたし……。そう言えば、ひげ紳士さんに何度か取材されていますよね。私はまだ直接お会いしたことはないんですが、ひげ紳士さんのお知り合いの方にもオープンを手伝っていただきました。

    ――おお、こんなところでもひげ紳士さんの名が! スロゲーセン立ち上げの第一人者になりつつありますね。
     


    ――では、500以上もの台は、どのようにして集めたのでしょうか?

    まず私(北)の私物が300ちょっとです。

    ――凄過ぎる……!

    あとは光本と共同で持っていたものを合わせて500ぐらいとなりました。

    ――そもそも、何がきっかけで集め始めたんですか?

    個人的に4号機の「サクセション」って台が大好きで、会社名にしてしまうほど思い入れがあるんですよ。それで、欲しい欲しいって事あるごとに言ってたら、仲間たちが誕生日プレゼントとして贈ってくれまして……。その1台がきっかけとなり、実機集めにハマった感じです。

    ――なんだか、運命的ですね。

    あのプレゼントがなかったらガラパゴスはありませんでしたね。

    ――私物の300台はどうやって集めたんですか?

    ほとんどがネットオークションです。落札にはあまり苦労しないんですが、ご存知の通り2017年以降、宅急便を使った個人間での実機配送が難しくなったので、「引き取り限定」の出品が多いんです。つまり、自分で車を出して取りに行かないといけません。遠いところでは岡山から福岡までとか(笑)。

    ――それは大変ですね……。

    ただ、あちこち飛び回っていると良いこともあって、コレクターの方と知り合いになれるんです。そこからさらに別の方を紹介してもらい、会ったこともない北海道の方とメールだけでやりとりして、もうほとんど国内に残っていない激レアの「海人流」を譲っていただく……なんてこともありました。

    人気台とレイアウトの秘密

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    ――保管台の中で、お客さんから人気のあるものは何ですか?

    4号機なら「大花火」・「アステカ」・「猛獣王」・「アラジンA」、5号機は「バジ絆」・「凱旋」・「ハーデス」、それに「初代バイオ」といったところです。自分が打ったことのない台や珍しい台を打ってみようという方は稀で、ホールで人気だった有名機種がよく動く傾向にありますね。グランドオープン時からオーソドックスなラインナップにしていて、その中で稼働が落ち始めたら入れ替えを考える……という感じです。

    ――スルメ台より王道が人気なんですね! では、レイアウトはどのように決めていますか?

    時代やタイプに分けて並べています。4号機コーナーは、レイアウト図の一番右の列が爆裂時代、その次の列がAタイプ時代です。5号機は一番左の列が撤去間際までホールにあった人気機種、その次の列が一世代前の機種、上の列には技術介入機や萌え系の台を置いています。この法則は崩したくないので、入れ替えの際は結構悩みますね。

    ――レイアウト図の一番下にある半円には、2~3号機と5号機が共存していますね。

    実は、元々半円には2~3号機のみを置いていました。今「ミリオンゴッド系譜」があるところには「スーパーバニーガール」があったんですよ。
     


    ――どうして移動したんですか?

    レトロ台はスピーカーの性能が弱かったんです。「系譜」の真上あたりに店内スピーカーがあって、その位置だとレトロ台の音は店内BGMに負けてしまうんですね。

    ――なるほど……!

    それで、店内BGMの影響が最も少ない区画に、レトロ台を集めました。
     


    ――ちなみに、レイアウト図の右下に「回胴本ライブラリー」というものがありますが……。

    『パチスロ必勝ガイド』と『パチスロ攻略マガジン』のバックナンバーが20年分以上あります。

    ――そういうことでしたか!

    オークションでまとめて出品されているのを落札しました。思い入れのある年代のバックナンバーなら個人で持っていたんですけど、抜けを一冊一冊探してコンプリートするのはちょっと無理でしたね。
     

    中四国や関西からの来客多数! スロゲーセン「ガラパゴス」が目指すもの


    ――お客さんからの反響をお聞かせください。

    現状、パチンコやパチスロのゲームセンターは関東に集中してるんですよ。西日本では希少ですから、「こっちに作ってくれてありがとう」と喜んでいただけることがとても多いです。中四国・関西からのお客様が中心で、時には九州からお見えになることもあります。

    ――台のリクエストは受け付けていますか?

    もちろんです。店内にはリクエスト用紙を置いてありますし、直接伝えていただいてもOKです。現状、お客様から「○○を打ちたい」とリクエストされた台は、大抵持っていますね。個人的に欲しい台はもうほとんど入手していて、ゲーセンをやることになってからはニーズのありそうな台を集めていましたので。今後手に入れたいのは、ニーズが多くてたまたま持っていない台、ということになります。具体的には、5号機の「スパイダーマン2」と「ギルティクラウン」あたりですね。

    ――今後、イベントなどを開催する予定はありますか?

    そうですね。倉庫台のリストには載せていないのですが、実は「超ディスクアップ」を複数台持っているので、大会を開いたら面白いかもしれません。どんなことをやったらお客様に喜んでいただけるか、色々考えたいですね。

    ――最後に、ガラパゴスをどんな場所にしたいですか?

    パチスロをもっと楽しめる場所にしたいと思っています。出玉性能の高い機種は投資も嵩みますから、ホールで打つと手痛く負けることもあって、だんだんと足が遠のいてしまいますよね。でもゲーセンなら定額で遊び放題です。勝ち負けを気にせず、純粋にパチスロを楽しんでいただければと思います。

    ――これからも頑張ってください。本日はありがとうございました!

     

    誕生日プレゼントから始まったスロゲーセン計画。話を伺ったのはおふたりでしたが、スロ好き4人の楽しい雰囲気がなんとなく伝わってきてほっこりしました。関西方面へ出張の折には、ぜひ「ガラパゴス」に立ち寄ってみたいです!

    P-Summa編集部

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