【追跡取材】撤去されたパチンコ&パチスロ台が集まる工場に潜入してみた

2018/06/20

特集

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    毎週のように行われる新台入替や検定切れによる撤去など、ホールに設置されているパチンコやパチスロは、かなりの数が頻繁に入れ替わっています。ここで疑問なのですが、撤去された古い台は、いったいどうなるのでしょうか? すべてが家スロになる訳ではないだろうし、もしかして粗大ゴミの日に出されている?
    これらの疑問を解消すべく、P-Summa編集部は撤去された台がどこに行くのかを追跡調査してみました!

    撤去された台が集まる工場に潜入!

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    編集部がリサーチしたところ、撤去されたパチンコ&パチスロの多くは、日本各地のリサイクル工場に集まるとの情報をキャッチ! そこで、(株)ユーコーリプロのご協力のもと、同社の東日本リサイクル工場に潜入取材させていただきました!
    ユーコーリプロは、環境省の「広域認定制度」を受けている日工組遊技機回収システムの認定処理会社で、壊れた台を無償で回収しているだけでなく、使わなくなった台の買い取りもしており、年間100万近くもの台が集まるそうです! この工場には関東中のホールから撤去・回収された台が集まり、リユース&リサイクルされているのだとか。

    工場の保管エリアには大量の台が!

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    この工場には、大量の台が保管されており、ところ狭しと台が並べられた光景は、とにかく圧巻!! 新しいものから古いものまで、多くの台がホールから回収され、ここに保管されています。集まってくる台は、検定が切れたものや壊れたもの、各メーカーに回収依頼されたものまで、さまざま。なかには各ホールの倉庫に眠っていた何十年前の台が回収されることもあるのだとか。これらの台は、リユース(再利用)されたり、リサイクル(再資源化)されたりするそうです。最近のパチンコ業界は、かなりエコなんですね!
    今回、ユーコーリプロの方々のご厚意により、撤去・回収された台がリユース&リサイクルされる過程を見学させていただきました!

    回収された台は受入エリアで製造番号情報を読み取り

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    各地のホールからトラックで回収された台は、まず受入エリアにて1台1台丁寧に製造番号情報を読み取ります。これにより、どの使用済み遊技機が工場に入庫され、処理されているのか、各メーカーが把握できるそうです。製造番号情報の読み取りが済んだ台は、メーカー別に仕分けされ、セキュリティ万全の施設で一時保管。ズラッと並べられた台を見ていると、思い入れがある懐かしい台もあり、感慨深いものがあります。
    この受入エリアで働いているスタッフさんに、回収された台で印象に残っているものを聞くと、某黄金騎士のMAXタイプであるとの回答。何やら、2016年に行われたMAX規制の影響で万単位の台が回収され、運ぶのに苦労したのだとか。確かに、大きな顔が飛び出るあの台は、傍から見ても重そうです……。

    これぞ職人芸!? 使用済み遊技機を解体!

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    回収後、製造番号情報を読み取られた台は、工場内にある「分別・分解・破砕ライン」に運ばれ、手作業でゲージ盤や基盤などに分けられます。このラインで再利用可能なリユース部品は別途回収されるのですが、目をみはるのは、その作業スピード! 例えば、パチンコ台なら1台を10~20分、パチスロ台なら5分程度で解体していくのだとか! この工場では65名ほどのスタッフさんが働いており、1日で最大4,000もの台を処理できるそうです。

    リユース部品は検品されてメーカーに出荷

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    分解された台は、部品ごとにリユースできるものとリサイクルできるものに分別。リユースできるものは、基盤や液晶ユニット、センサーや筐体の枠などで、もちろん壊れていない優良品のみ。これらの部品は丁寧に検品、清掃され、各メーカーに出荷されるといいます。メーカーによっては、一定数のリユース部品を確保してから、新台の開発を行うこともあるのだとか。リユースありきで生まれる新台があるなんて、驚きです……!
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    「分別・分解・破砕ライン」でピックアップされたリユース部品は、検査室で念入りにチェック。破損している部分がないか、汚れていないか、正常に稼働するかなどを確認し、各メーカー指定の方法で梱包後、出荷されます。
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    こちらは液晶ユニットを梱包している様子。比較的新しい液晶は、新しいパチンコやパチスロにリユースされ、古いものはDVDプレイヤーやカーナビに生まれ変わるそうです。ちなみに、液晶ユニットのプラスチック部分がクリアブラックなのは、ヤニ汚れを目立ちにくくさせるため、という噂もあるのだとか。
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    上記画像もリユース部品の一つですが、なにかわかりますか?
    実はこれ、「近接スイッチ」と呼ばれるもので、パチンコ台の入賞センサーなどに使われます。
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    液晶ユニットや基盤は、メーカーごとに独自のものを使用しているケースが多いのですが、この近接スイッチは共通規格。ほぼすべてのメーカーが使用しているため、定期的に出荷しているそうです。こちらももちろん手作業で、1個1個コードを取り除き、キレイに清掃して、通電検査を行うことも。
    このように、リユースできる部品は、そのままの姿で出荷されるのですが、加工が必要な部品に関しては、リサイクルされ、まったく別のものに生まれ変わるそうです。

    リサイクルされた部品は別のものに生まれ変わる!?

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    パチンコ&パチスロ部品のなかでリユースできないものは分解・破砕され、リサイクルしやすいように木くずや鉄などに分けられます。
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    例えばこちらは、ゲージ盤に付いているレールを外す作業。バールやハンマーを巧みに使い、1分に満たない時間で次々とレールを外していきます。
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    レールが外されたゲージ盤は「釘抜き機」にかけられます。盤面の材質によって、釘の抜きやすさも変わり、プラスチックだと抜きにくく、ベニヤだと簡単に抜けるのだとか。
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    そして、抜かれた釘はこちら! ぱっと見、芝生のように見えますが、その正体は数百万本の釘なので、勢い余って寝っ転がらないように注意しましょう。
    これらの釘やレールはマテリアルリサイクル(原料化)され、自動車の部品などに生まれ変わるそうです!
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    さらに釘を抜かれたゲージ盤は、「セル画切削機」を使い、カンナの要領で削られます。
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    ここまでキレイな状態にすればリサイクル可能となり、破砕機で木くずにしたあと、パーティクルボードになるそうです。実はこのパーティクルボード、住宅部材や家具の材料として使われるのだとか! ある意味、「パチンコで家を建てた! 」ということになるのですね。
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    そのほか、リユース不可の基盤は破砕機にかけられ、ボルトなどの工業系部品に。パチンコの本体枠やパチスロドアの材料である混合樹脂はパソコンのキーボードやマウスなどにリサイクルされるそうです。今使っている反応の悪いマウスも、元はパチンコ台だったと考えれば、なんだか愛着がわきます。

     

    このように、撤去・回収されたパチンコ&パチスロは新台の部品としてリユースされたり、まったく別のものにリサイクルされたりしていました! 以前に比べると、パチンコ業界のリユース活動は進んでおり、各メーカーもできるだけ少ないコストで新台を開発できるよう工夫を続けているそうです。ユーコーリプロのエコ活動は現在も進化中で、この先さらなる好循環を生み出せれば、ホールも安値で新台を買えるようになり、ユーザーも今より勝ちやすくなるのかもしれません。

    P-Summa編集部

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