P-Summa編集部員のマイホには、大きなデジタルサイネージがあり、画面タッチで台のデータなどがチェックできて大変便利。他のお客様が座っている台のデータランプを触るわけにはいかないので、大変重宝しております。いやはやしかし、こんな便利機能、一昔前には考えられなかったので、技術の進化を感じずにはいられませんね!
今では街頭やエキナカでもよく目にするようになったデジタルサイネージですが、なぜパチンコホールにも多くのサイネージが配備されることになったのでしょうか?
そして、未来のパチンコホールは、どれだけサイバーチック!?になるのでしょうか?
近未来的なものが大好物な編集部員。今回は最先端のLEDビジョンやデジタルサイネージを開発しているという株式会社プロテラス様に伺い、お話を聞いてきました!
取材に応じてくださったのは、デジタルサイネージ事業部の営業担当者さんです。ユーザー目線で見ても便利なデジタルサイネージですが、そもそもとして、なぜホールはサイネージを導入するのでしょう?
担当者さんに伺ったところ、理由は大きく分けて2つあるそうです。
1つは「紙媒体をやめてデジタル化することで、手間やコストを省きたい」というもの。紙のポスターは、用紙代や印刷コストなどがかかり、貼り換えも面倒。デジタルサイネージも導入の初期費用こそかかりますが、長期的に見ればコストカットに繋がり、貼り換えの手間もなくサイネージ1台で複数のコンテンツを流すことができると言います。
総務省やIT企業を中心にペーパレス化が進んでいますが、パチンコ業界もご多分に漏れず、ということなのですね。コストカットできた暁には、ぜひユーザーにも還元を……!
そしてもう1つは「何か新しいことをやりたい」「ライバルがまだやっていないことをやりたい」というもの。実にアミューズメントらしい考えです。例えば、某大型ホールの屋外巨大LED演出では、天気予報と連動して色が変化するというハイテクを搭載。また、他のホールでは、インパクト絶大の地球を模したLEDビジョンを導入し、非日常的な空間が創出されているとのこと。
他にも、曲がるLEDパネルを活用した「リボン型」や「シャンデリア型」サイネージを導入しているホールもあるようで、発想の多彩さに驚かされます。また、最近流行りのプロジェクションマッピングも扱っており、店内カウンターの壁などに映像を映し、グランドオープン時のカウントダウンを行ったりすることも。そういった個性的な映像コンテンツは、海外の先進的な活用事例を参考にしつつ、ホールを設計する人と相談しながら開発していると言います。
ホールからは、他と違う目立つ空間を作りたいという要望がある一方で、「地域の憩いの場になるような居心地の良い空間を作りたい」という要望を受けることも。新台や営業に関する宣伝だけでなく、パチンコとまったく関係ない近隣のイベント情報を流すホールもあるとのこと。デジタルサイネージと聞くと、豪華なもの、派手なものをイメージしがちですが、そんな温かみのある使い方もあるんですね。
そんなハイテクなデジタルサイネージですが、ぶっちゃけ、どうやって操作されているのでしょうか? マイホのサイネージは、ちょくちょく画面が切り替わっておりますが、まさか手動でやっているわけではないでしょう。一般ユーザーは知るよしもないです。そこで、ついつい興味本位でホールのサイネージ操作方法も聞いてしまいました。
プロテラスでは、モニター・LEDなどの「ハード」と、映像コンテンツを運用する「ソフト」、さらに「映像コンテンツ」そのものの制作も手掛けているそうです。そこで、パチンコホールで使用されている映像配信ソフトの操作画面を見せていただきました!
上記画像のように、デジタルサイネージで流したい映像コンテンツをドラッグして並べるだけ。これならパソコンや映像制作に詳しくない人でも簡単に操作できますね! ホールからは「店舗間のスタッフ移動が多いので、簡単に覚えられるソフトがほしい」という要望があるそうで、それに応えたもののようです。
ホール内に設置している複数のデジタルサイネージは、それぞれ異なるスケジュールを組むことも可能。例えば、ホールに入ってすぐのサイネージとトイレ内のサイネージで、別々の映像を流すこともできるわけですね。どこにどのような映像を流すのが効果的なのか、担当者さんの腕の見せどころと言えるでしょう。
パチンコホールにとって、デジタルサイネージを導入することが有益であることは分かりました。現在でも十分ハイテクなデジタルサイネージですが、今後はどのような機能が付くのでしょうか?
担当者さん曰く、例えばホールからは「無人化を目指したい」という要望があるそうです。レンタルDVDショップやスーパーなどで「セルフレジ」を導入しているところが増えてきていますが、パチンコホールでは景品カウンターの無人化が模索されているのだとか。
また、開店時の入場整理も今後デジタル化されるかもしれないとのこと。現在もお客様のスマートフォンに整理券を発行し、デジタルサイネージで入場番号を案内するということが行われていますが、今後は空港のようにQRコードで入場できるようになると言います。
さらに将来的には、「分煙ボードのデジタルサイネージ化」や「空気中に投影できてタッチできるサイネージ」、「大型の窓ガラス全面透過で見せるサイネージ」といったものを実現したいと考えているそうです。圧倒的な未来感……!
また、「ホログラムサイネージ+AIでコンシェルジュサイネージ」といったものも構想しているとのこと。今でもホールのマスコットキャラや芸能人が、コンシェルジュを務める画像・映像が流れているホールはありますが、ゆくゆくは、これがAI化したり、空気中に投影されたりするのかもしれません。
某メーカーさんの直営店などで、ホログラム貞子が出てきて接客する日も近いのでは……!?
今回取材に伺ったプロテラス様は、かつては内装の仕事をしていたそうです。しかし、まだ「デジタルサイネージ」という言葉がない時代に「広告が動いたら面白いかも」ということに着想を得て、本格的な開発に乗り出したとのこと。近年の技術革新は目を見張るものがありますので、上記のようなデジタルサイネージがホールに登場する日も、遠くないのかもしれません。パチンコやパチスロも、店内のサイネージと連動してど迫力の演出が展開される……なんてことになったら面白そうですね!
P-Summa編集部