【取材】インバウンド型パチンコ店が都内にオープン! 「ゑびす秋葉原1号店」に行ってみた

2020/02/25

特集

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    2017年6月、岐阜県高山市に「EBIS Cafe&Pachinko」という、観光に来た外国の方にパチンコを体験してもらおうというお店がオープン。試打ルームやゲームセンターではなく、出玉を景品(一般景品のみ)に交換できるれっきとした「パチンコ店」で、遊技人口が減っていくなか、新しいインバウンドの形として注目を集めていました。

    そんなEBIS高山店の開店から約2年半、同じコンセプトを持つお店がついに東京進出! 2019年12月に「ゑびす秋葉原1号店」がオープンしました。しかし、オープンしたばかりとあって設置機種も扱っている景品も神秘のベールに包まれた状況です。
    ならば、調査するしかあるまい! と意気込んだP-Summa編集部員。勢いそのままに取材を申し込んだところ、快く引き受けてくださいました。ありがとうございます!!

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    場所は秋葉原駅より徒歩約6分、東京都千代田区外神田3-15-6「M2ビル」の7階にあります。ぱっと見、パチンコ店とは思えない入口です……。総設置台数は12台とのことで、本家高山店の20台と比べると、より少数精鋭といった印象。では、これらの12台は一体どんな基準で選んだのでしょうか? ゑびす秋葉原1号店リーダーの進藤さんにお話を伺いました!

    機種ごとにレベルを表記!?「ゑびす秋葉原1号店」の設置機種

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    ――本日はよろしくお願いします。早速ですが、ゑびす秋葉原1号店の設置機種について教えてください。見たところ、台ごとに「レベル」の表記がありますが……。

    このレベルは機種ごとの遊びやすさ、当たりやすさを示すものです。最初はEBIS高山店でも一般的なパチンコ店のように確率を表示していたんですが、海外のお客様には分かりにくかったようなので、シンプルな「レベル」に変更しました。なので、秋葉原店ではオープン時からレベル表記にしています。台移動自由なので、まずはレベル1で大当たりを体験し、増やした出玉で上のレベルに挑戦していただこうというデザインです。

    ――たしかにはじめての方にとっては、初当たり確率や継続率が書かれているより、レベルのほうが分かりやすいですね!

    現在の設置機種は、
    レベル1に『Pちょいパチ SUPER電役ナナシーDXII G39』(1/39.9)を3台。
    レベル2に『CRFクィーン2018』(1/106)を3台。
    レベル3に『P牙狼コレクション』(1/129.77~1/179.55)を3台。
    レベル4には、『CRFクィーン2018ZERO』(1/219.6)、『ヱヴァンゲリヲン~超暴走~』(1/199.8)、『P沼』(クルーン機)が1台ずつという構成になっています。

    ――では、現在の設置機種はどのように選んだんですか?

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    まずはとにかく「7」が揃うところを見ていただきたいので、レベル1は当たりやすい「ちょいパチ」にしました。

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    レベル2に「クィーン」を選んだのは、高山店で液晶機よりドラム機のほうが人気だったからです。

    ――そうなんですか! ちょっと意外ですね。てっきり日本のアニメ版権や時代劇系がうけるのかと思っていました。

    もちろん日本のアニメは海外でも大人気で、特に北斗の拳・エヴァ・キャプテン翼あたりの知名度は抜群です。これらの機種も人気は高いんですが、海外のお客様のなかには液晶演出が分かりにくいという方もいらっしゃいました。その点、「クィーン」はカジノに設置されているスロットに似た雰囲気とトランプが揃えば大当たりという明快さが支持されたのだと思います。

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    レベル3はアトラクション感覚で楽しんでいただきたいと考え、当たりやすさが甘デジとライトミドルの中間あたりで、とにかく派手な「牙狼」を選びました。高山店でも「フェイス・オブ・ガロ」の演出は大ウケしていましたからね(笑)。

    ――レベル1~3は3台とも同じ機種で、バラエティー構成にはしなかったんですね。

    ええ、日本のパチンコは「個人の遊び」というイメージが強いですよね。ほとんどの方がバラバラに遊んでいます。ところが海外のお客様は「連れ打ち」や「並び打ち」が基本なんです。高山店でも数人でワイワイと遊ばれる方がほとんどです。

    ――パチンコとの向き合い方が全然違うんですね。

    日本人では考えられませんが、彼らはとにかくリアクションが派手です。ヘソに玉が入るだけで大盛り上がりする方もいますし、大当たりすると踊ります。

    ――お、踊る……!? ゴールを決めたサッカー選手みたいにですか?

    はい。台を離れて踊り出すので、スタッフはいつも「早く打ってください!」と急かしています(笑)。場合によってはパンクしちゃいますからね。

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    レベル4は、「クィーン」のライトミドルと、人気版権で連チャン性能の高い「エヴァ」、そして「沼」です。カイジも海外で人気なので、原作の「沼」を知っている方が結構いらっしゃいます。

    一番人気は箸!?「ゑびす秋葉原1号店」の景品

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    ――続いて、ゑびす秋葉原1号店の景品についてお聞きしたいのですが、どのようなものを扱っているんですか?

    景品も高山店での反響を元に日本を感じられるものを用意しました。湯吞みや草履、浮世絵がプリントされたグッズ、それとアニメのフィギュアなどです。

    ――このお店では、台の「上」にも景品を飾っているんですね!

    ええ、もともとはスペースを有効活用するために飾っていたんですが、結果的に遊びながら見て、楽しんでいただけるという利点になりました。

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    ――このなかではどんな景品が人気ですか?

    一番人気は「箸」、続いて「Tシャツ」です。

    ――アニメ系よりそういうベタな観光土産が人気なんですね(笑)。

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    秋葉原という土地柄に合わせてアニメ系の景品を揃えたんですが、今のところ「日本」や「東京」を感じられる景品のほうが好まれているみたいですね。台と台の間にさりげなく飾ってある「寿司マグネット」も人気があります。ちなみに高山では「地酒」が一番人気でした。

    あと、景品に交換するより持ち球を最後まで使い切る方も多いですね。パチンコという体験そのものを楽しんでいただけてる印象です。なので、飾っている景品はインテリア的な意味合いも強いですね。

    口コミで人気に火がついたインバウンド型パチンコ店

    ――ゑびす秋葉原1号店は外国の方向け、とのことですが、国内のお客さんも来店されるんですか?

    現状、秋葉原店は国内と海外のお客様が半々ぐらいです。男女比や年代はバラバラですね。国はアメリカやカナダの方が多めです。ちなみに、高山店では海外のお客様が8割を占めています。

    ――海外のお客さんは何を見て来店されるのでしょうか?

    観光中にふらりと立ち寄る方もいらっしゃいますが、SNSや口コミサイトを見て来たという方が多いですね。高山店は「トリップアドバイザー」での口コミが50件を超えてから火がついて、お客様が一気に増えました。秋葉原への進出は高山店の成功があったからなんです。

    ――口コミの力は凄いですね!

    ええ、ほかにも海外の人気ユーチューバーさんが高山店で撮影された動画はすでに500万再生を突破しています。秋葉原店でも今後、トリップアドバイザーを中心に、口コミを投稿していただくことで知名度を高めていきたいと考えています。

    ――お客さんとのコミュニケーションはやはり英語ですか?

    そうですね。どの国からいらした方も英語さえできればおおよそ会話できます。

    ――では、英語のできるスタッフが配属されてくるんですか?

    いえ、そうではないんですよ。言葉は全スタッフ、働きながら勉強しています。

    ――そうなんですか!

    一応、各台に英語で遊び方は書いてありますが、遊び方の説明は結局口頭が中心になります。最初は緊張しましたけど、すごくやり甲斐があるし勉強になりますね。

    「ゑびす秋葉原1号店」のこだわりとは?

    ――今さらなんですが……普通のホールに比べてずいぶん静かですね?

    よくぞ気付いてくださいました。一応アニソンなどのBGMをかけていますが、普通に会話ができるボリュームにしています。「音量控えめ」は「禁煙」と並んで、高山点から受け継がれている特徴です。

    ――仲間同士や店員さんとのコミュニケーションを重視するならこのぐらいがちょうどいいですよね。ちなみにレートはどうなっていますか?

    高山店はオール1パチですが、秋葉原店はオール2パチです。土地柄、単価の違いですね。当店は最初に2000円分のICコインをお買い上げいただくというシステムでして、追加投資をされる方は少数ですね。夕食前後にサクッと遊んでいかれる方が多いようです。

    ――あと、何気に椅子がめちゃくちゃ快適ですね……!

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    そこもこだわりポイントの一つです。座り心地の良い「ゲーミングチェア」を吟味して揃えました。欧米の方は腕が長いので、背もたれに体重を預けたまま、腕だけ伸ばして打っている姿をよく見かけます。

    ――このサブ液晶も初めて見ました!

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    高山店はドル箱方式なんですが、秋葉原店は各台計数システムなので、出玉感が見た目でわかりやすいようにこの液晶を採用しました。なかには万発を超える出玉をたたき出した方もいらっしゃいましたよ。

    ――最後に、今後入れ替えや設置を考えている機種はありますか?

    来年2月にはCR機をすべてP機に入れ替えしなければならないということもあり、今まさに色々検討しています。今度出る『P笑点』が「常時右打ち」とのことなので、パチンコをまったく知らず、ハンドルの加減もわからない方に説明しやすいなーとは思っているんですが、最終的にはスペックと価格次第ですね。どの機種を入れるかについてはお客様の反応を伺いつつ、より楽しんでいただけるものを選ぶ予定です。

    ――本日はありがとうございました!!

     

    「ゑびす秋葉原1号店」は主に外国人観光客をターゲットにしていますが、日本人の我々も普通に遊びに行きたくなる快適空間でした。パチンコ未経験の友達や同僚にレクチャーするのにも最適だと思います。気になる方はぜひ一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
     
    ゑびす秋葉原1号店
    場所:東京都千代田区外神田3-15-6 M2ビル7階
    営業時間:12:00~21:00
    定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、翌火曜日がお休み)
     

    P-Summa編集部

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