「パチンコホールは『三密』を回避できる可能性が高い」換気実証実験映像 発表会レポート

2020/10/27

特集

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    今年5月に新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が解除され、早5ヶ月。パチンコホールも徐々に活気を取り戻してきましたが、感染の不安があることから、いまだにホールへ行くのをためらっている方も多いのではないでしょうか。
    では、本当にパチンコホールは、「三密」で感染リスクが高いのか?
    そのことについて、10月26日に全国遊技場青年部連合会が「パチンコホール換気実証実験映像」記者発表会を開催。P-Summa編集部がその模様をレポートします。

    「パチンコホール換気実証実験映像」記者発表会スタート

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    発表会は、愛知県遊技業協同組合 青年部会 堀部部会長による、「換気実証実験」を実施した経緯からスタート。

    「緊急事態宣言後、最終的には全国98%以上の店舗が休業要請に応じたが、一部店舗が営業を続けたことで多方面から厳しいご意見をいただく機会が多くありました。パチンコホールに対して、『三密』というイメージを持たれている方は、いまだ少なくありませんが、ホールは誕生以来、タバコの煙やにおいと共存し、多くの皆様にとって快適に過ごせる環境整備を長年取り組んでおります。

    そこで、『パチンコホールは三密を回避できる可能性が高い』ということを知っていただく努力をすべきだと考え、専門家の監修のもとパチンコホール内での空気の流れを『見える化』する実験映像を制作する運びとなりました。パチンコホールの感染リスクは決して高くない、という理解がすこしでも広まっていただければ嬉しく思います」と語りました。

    パチンコホールでのタバコの煙と換気の歴史~換気実験~

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    挨拶のあと、「パチンコホール換気実証実験映像」の上映がはじまりました。ホールでのタバコの煙と換気の歴史が紹介されます。

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    本日の発表会にもご出席された、大木一級建築士によるパチンコホールの換気についての解説。
    パチンコホールは、もともと喫煙者の比率が高かったが、さらに女性のお客様や非喫煙者の方にも受け入れられるため、空気環境をさらに改善していったという経緯が語られます。

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    その結果、現在では換気回数の基準を超えるホールが大半となっており、ホール内の空気は常に循環しているとのこと。

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    同じく、発表会にご出席された、愛知医科大学 感染症科 三鴨教授による新型コロナウイルス感染症対策についての解説。基本的な対策として周知されている「三密」を避けること、マスクの着用と手指衛生の徹底を改めて説くとともに、ホールにおける「換気」の重要性を語ります。

    ホールの換気回数が非常に多いことは前述のとおりですが、実際にどのくらい空気がきれいになっており、感染症対策にどれほど有用なのでしょうか?

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    今回の実証実験では、ホール内にスモークを充満させ、営業時と同条件で換気。10分後の状態を検証しています。

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    ホール全体に充満していたスモークですが、わずか10分でほとんど排出されるという結果に。

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    この結果に三鴨教授も太鼓判。新型コロナウイルス対策にも極めて有用な換気システムで、三密のひとつ「密閉」対策としては、ほぼ完璧だと語ります。また、「密接」と「密集」に関しては、台と台の間にアクリル板を設置することで対策がなされていると説明されました。

    大木一級建築士と三鴨教授が語るパチンコホールの安全性

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    「パチンコホール換気実証実験映像」の上映後、専門家のお二人による補足説明がありました。パチンコホールをはじめとした国内外の商業施設を多数設計された大木一級建築士は、ホールの換気設備の視点から解説。

    「不特定多数の人が入る施設では『建築基準法 第20条の2』において換気回数が定められており、40年ほど前からパチンコホールの喫煙率は非常に高かったため、設定の高い換気量が要求されていました。以前は遊技しながらの喫煙が可能であったため、タバコの煙が途切れることなく、常に換気されていないと営業できない状況が続いていたわけです。

    その後、喫煙率が下がり、その間に女性のお客様が増えたことからタバコを吸わない方への配慮として、さらに換気回数が増え、空気環境は改善していきました。今ではほとんどのホールで10分に1回ほどの換気がおこなわれています。」

     

    つづいて、「東京感染症対策センター(東京iCDC)」の専門家ボードにも参加された三鴨教授による補足説明。パチンコホールの換気設備下での罹患リスクについて、語られました。

    「新型コロナウイルスは三密対策が大事で、WHOのホームページでも『Three Cs (スリー・シーズ)』の有用性が紹介されています。そのなかでも密閉対策は一番難しいが、特に重要。厚生労働省のホームページでクラスター例の解析を読んでみると、密閉空間というのがかなりの要素をしめていることが分かります。

    パチンコホールは三密だと誤解を受けて休業した経緯があったので、『密閉』ではないと実証できるデータがあれば良いと思っていました。今回の換気実験によって空気の流れが『見える化』されたのは大きい。ホールは換気に関して、これ以上ない設備を備えていることが分かったので、その他の三密対策、手指衛生、台の消毒などの環境整備がなされれば、ほぼ完璧で、ほぼ安心して楽しめますよね。あとはお客様自身が手指衛生やマスクの着用などをマンネリ化することなく行うことが大切だと思います。」

    「パチンコホール換気実証実験映像」が視聴可能に


    発表会の終了後、今回の「パチンコホール換気実証実験映像」はYouTubeで公開され、多くの人が視聴できるようになりました。この映像をご覧になれば、ホールは密閉空間ではないということが分かり、より安心して遊技できるのではないでしょうか。大木一級建築士や三鴨教授が述べていたとおり、パチンコホールが三密だというのは誤解で、ホールと我々ユーザーの努力次第で、感染リスクは抑えられるものだと思います。マスクの着用や手指衛生を徹底して、安心・安全な遊技を心がけましょう。

    P-Summa編集部

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