【取材】大阪唯一のスロゲーセン! 「ひまつぶし空間いこい」の誕生秘話

2022/10/04

特集

  • sloikoi00
    今や貴重な存在となりつつあるスロットゲームセンター。近畿地方はしばらくの間、スロゲーセン不在の状況が続いていましたが、なんとこの夏、大阪に新たなスロゲーセンがオープン! その名も「ひまつぶし空間いこい」

    これまでも数々のスロゲーセンを取材させていただいたP-Summa編集部員、「いこい」についてもっと詳しく知りたい! ということで、オーナーのいこいPさんにお話を伺いました。

    2022年 スロット(パチスロ)ゲームセンター&フリースペース「ひまつぶし空間いこい」オープン!


    ――本日はありがとうございます! 早速ですが、スロットゲームセンター&フリースペースを作ろうと思った理由をお聞かせください。

    パチスロが大好きだからです。

    ――直球の素晴らしい理由!

    昔、いわゆるスロプロをしていた時期がありまして。

    ――えっ!? すごい、お上手だったんですね……!

    ですが、パチスロが好きで、それで生活をしているだけでなく、何かしら業界に貢献というか、恩返しができないかと考えていて……じゃあ、パチスロと親しめる場を作っちゃおうと! ある意味、勢いで始めたと言えるかもしれませんね。

    ――その境地に至るまで、どんな経緯があったんでしょうか?

    実は経営者をやっていた時期もありまして。

    ――ええっ!? 経歴が欲張り過ぎませんか!

    ただ、会社がちょっと不時着しちゃって……当時は東京にいたんですが、もう東京の景色を見たくなくて、兵庫に逃げてきました。

    ――東京にいたくないのはなんとなくわかりますが、なぜ兵庫?

    地域限定の激甘台がありますよね……。

    ――さては、ミクちゃん……?

    はい(笑)。とりあえずミクちゃんがあれば食っていけるな、と。そんな感じで兵庫まで逃げてきたんですけど、経営者時代の「何もないところから一つ一つ積み上げていく」っていう感覚がどうしても忘れられなかったんです。その疼きと、パチスロが好きで業界に貢献したいという気持ちが相まって、いこいをオープンさせました。

    ――2022年4月にプレオープン、8月に正式オープンでしたが、作ろうと思い立ったのはいつだったんですか?
     


    去年の10月ぐらいだったと思います。

    ――わずか半年でプレオープンまで漕ぎつけたんですね。早い……! では、オープンまでの道のりで、楽しかったこと、こだわったこと、苦労したことなどはありますか?

    まず、苦労したのは金銭面と法律面ですね。スロゲーセン経営者の方々はどなたも苦労している部分だと思いますが……どうにか行政書士・警察・専門家の方々のおかげで、ルールに則った営業ができています。

    ――営業許可に苦労されるケースが多いみたいですね。

    一方で、楽しかったことはもう全部ですね。今も楽しいです。こだわった点としては、自分の好みを前面に出さないように気を付けました。個人的には5号機初期の台が大好きなんですけど、選り好みすると設置台が偏ってしまいますからね。パチスロ業界への貢献と、お客様にとっての憩いの場を作ることがそもそもの目的ですから。

    ――ちなみに、個人的に好きな台は?

    「神たま」・「初代餓狼伝説」・「デビルメイクライ3」あたりですね。自分の好みで集めると、どうしてもそういうものばかりになると思います。あと、当初は萌え台ばかり集めるという案もあったんですが、現状近畿唯一のスロゲーセンですから、まんべんなく集めたほうが喜ばれると考えました。

    「超ディスクアップ」も導入! 設置台の集め方


    ――設置台はどうやって集めていますか?

    基本はネットオークションです。あとはお客様や協力者様からの寄贈・貸与、委託販売ですね。

    ――委託販売? お店に来たお客さんが台を買えるということですか?

    委託販売で設置している台に関してはその通りです。古物の営業許可も取っていますしね。委託してくださる方は「置いてもらえるだけありがたい」と言ってくれて、こちらこそありがたい限りです。当店はラインナップを増やせて、お客様は試打して気に入ったら買うことができる、と。

    ――みんなハッピーですね!

    現在のラインナップの中だと「サクセション」・「秘宝伝」・「アステカ」・「マジカルハロウィン5」が委託販売です。ちなみに委託での手数料は取っていません。

    ――入手に苦労した台はありますか?
     


    一番苦労したのは「超ディスクアップ」(一般のホールには設置されていない、競技用特製機種)ですね。ネットオークションで、プレミア価格で落札したんですが、その後一度壊れてしまって……。

    ――プレミアで落としたのに……!

    ところが、幸運にもサミーさんが格安で直してくれたんです。非常に助かりました。

    ――そう言えば、メンテナンスはどうされているんですか?

    基本的には店長が担当しています。手に負えない台は、提携しているビッグスロット様(中古パチスロ実機販売)に手を貸していただいたり、お客様に教えていただいたりしていますね。お店にフラッと現れて「直せるよ」なんて方もいらっしゃいます。ディープなお客様が多いんですよ。

    ――では、設置台の中で、思い入れのあるものは?
     


    まぁ、全部なんですけど……あえて一つ挙げるなら「初代戦国無双」ですね。これは有効ラインが中段・小V・小山・斜め×2の変則的な5ラインになっていて、リーチ目が多彩なんです。「中リール中段のみにベル停止」のリーチ目は「ANY・ベル・ANY」の2枚役を5個重複させて10枚払い出すんですけど、よく考えたなぁと思いますね。中リール中段にだけポツンとベルがあるリーチ目は本当に綺麗です。……と、語り出すと果てしないのでこのへんで……。

    ――初代戦国無双は楽曲もいいですよね。他に、入手に関するエピソードはありますか?

    「コンチ4XZ」(赤コンチ)と「旋風の用心棒 胡蝶の記憶」はお客様からの寄贈なんですけど、その方が従業員となりました。

    ――……え?

    寄贈してくれて、そのままスタッフになっちゃったんです。「台と一緒に来ました」って。

    ――それは凄い……! スタッフさんや協力者の方々は、元々の知り合いなんですか?

    いえ、スロプロ時代は一人でやっていくタイプだったので、パチスロ関係の知り合いはほとんどいませんでした。今ある人脈は、お店を作ろうとして情報発信を始めてからできたものです。「手伝うよ」ってお声をかけてくださる方が多くて、本当にありがたいですね。お客様もGoogleレビューを書いてくださったり、お友達を連れてきてくださったりして、人に恵まれていると感じます。立地が……まあ何と言うか少々荒っぽい地域なんですけど、不思議とうちのお客様は良い人ばかりですね。

    1時間500円! 料金表に込められた想いとは?


    ――飛び込みのお客さんはいらっしゃいますか?

    立地は良いのですが、今のところそういったお客様はほぼ0です。TwitterやYouTube、Googleを見ていらっしゃる方がほとんどですね。

    ――駅から徒歩5分の一等地でも、開けているだけでは駄目なんですね。でも、この立地にしては、料金設定がリーズナブル過ぎませんか? スロゲーセン業界の平均から見ても相当安いと思いますが……。

    近年、スロゲーセンってかなり潰れてしまっていて、全国的にも少ないですよね。全体のサンプルが少ないから、平均価格が適正価格とは限りません。最近の新規オープンはうちが先陣を切った形になったので、「当店が新しい適正価格になってもいいはず」と考えています。もちろん試行錯誤中ですけどね。既存のスロゲーセンの価格に囚われず、大阪周辺の方々が気軽に遊べて、交流もできる価格帯を意識していきたいですね。

    ――カード・ボードゲームの持ち込みができるフリースペースを設置している理由は何ですか?
     


    スロットを設置できない場所がデッドスペースになってしまうからです。最初は居酒屋って形も考えていて、その名残りがドリンク・フードのメニューに現れているんですが、結局フリースペースに落ち着きましたね。あと、店長とスタッフが遊戯王カード好きだからです。

    ――そんな理由だったんですね(笑)。

    もちろん二人ともパチスロも大好き……というか、スタッフ全員、熱狂的な打ち手です。つい最近求人を始めたんですけど、一番重視しているのがスロ愛ですから(笑)。スタッフと濃いパチスロ談義が交わせる店だと思っていただければ嬉しいですね。

    ――パチンコ・スロットへの愛と言えば、「パチンコ店買い取ってみた」の幸チャレにかなり思い入れがあるようですね。

    はい。ひげ紳士さんの動画、良いですよね。人柄が最高だし、パチンコ・パチスロ好きっていう気持ちが溢れています。ただ、幸チャレが動画で成功したのって、プロデューサーの手腕だと思うんですよ。まだ今ほどYouTubeが流行っていなかった頃に動画を始めて、ひげ紳士さんというダイヤの原石をダイヤにまで磨きあげたのは、間違いなくプロデューサーの「幸チャレP」さんです。自分が「いこいP」と名乗っているのも、幸チャレPさんにあやかってのことなんですよ。

    1号機~4号機も遊べるようになる? 今後の展望を聞いてみた


    ――今後、入手したい台はありますか?

    個人的には「初代牙狼」と「餓狼伝説SP」、もし設置が可能なら今後出てくる「スマスロ」もいつかは欲しいと思っています。それから、1~4号機の名機たちですね。入手もメンテナンスも相当難しいでしょうけど、スロゲーセンとして幅広く集めていきたいです。

    ――スマスロも過去の名機もけっこうお金がかかりますが……実際のところ、売上はどんな感じですか?

    多くの方のご支援のおかげで、最近はなんとか黒字に転じてきました。ただ、やはりスロゲーセンの売上だけでは厳しい面もあり、今後はさらに業務の幅を広げて色々な可能性を見出していきたいです。

    ――最後に、今後いこいをどのような場所にしていきたいですか?

    目的はオープン当初からずっと変わっていなくて、「スロ好きの憩いの場を作る」、「パチスロ業界にとことん貢献して盛り上げる」ということです。目下、上手くいっている例としては、毎週土曜日19:00から超ディスクアップの大会を開いているんですが、歴戦の猛者が集まって、ディスクアッパーの聖地みたいな感じになりつつあります。そんな風に、ただ台を置いてお客様を待つんじゃなくて、多彩な催しをして盛り上げていきたいですね。そして、今以上にたくさんの方々と繋がっていきたいし、スロ好き同士を繋げるハブのような存在にもなれたらと思います。

    ――これからも頑張ってください! 本日はありがとうございました!

     

    アクセス良好でリーズナブル、イベントも盛りだくさんの「ひまつぶし空間 いこい」。近畿地方にお住まいの方は一度遊びに行ってみてはいかがでしょうか? あなたにとっての憩いの場になるかもしれません。

    P-Summa編集部

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