【取材】レトロ台多数! 新潟のパチンコ&スロゲーセン「レトロ想い出広場」誕生秘話

2023/01/17

特集

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    2021年10月、新潟県のアミューズメント施設「レトロ柏崎」の中にパチンコ&スロットゲームセンター「レトロ想い出広場」がオープンしました! 設置台数は108台と、全国的に見てもかなりの規模。

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    昭和~平成初期のレトロ台や、あの頃打っていた名機を楽しめる場所がどんどん増えていて、テンション上がりますね! ということでP-Summa編集部は、レトロ想い出広場にインタビューを打診、快くOKをいただきました。パチ&スロゲーセンを作ろうと思ったきっかけやレトロ台の集め方、最近の人気機種などを店長の佐々木さんに伺います。

    パチンコホールからパチ&スロゲーセンへ


    ――本日はよろしくお願いします! 早速ですが、レトロ想い出広場はどのような経緯で誕生したのでしょうか?

    私は元々、レトロ想い出広場の前身であるパチンコホールで主任をしていました。ですが、そのホールが閉店することになってしまいまして……。その際、オーナーから「居抜きでゲームセンターをやらないか」とお誘いいただいたのが、そもそもの始まりです。唐突な話でしたが、二つ返事でOKしましたね。

    ――ホールがゲーセンに生まれ変わったわけですね。それにしても二つ返事でOKとは、かなりのパチンコ・パチスロ好きとお見受けしました。

    好きですね。4号機時代に「キングパルサー」でデビューしました。初めて打った台がキンパルだったんですが、めちゃくちゃ面白くて、ずっとキンパルばかり打っていましたね。業界に入ってからもずっとスロットで遊んでいて、5号機とか最近の台にも色々と触れています。居抜きを任せる人材として、4号機時代を知っていて、ある程度ホール経験もある人を探していたようです。

    ――ゲームセンターに作り替えるに当たって、内装などは変更しましたか?

    いえ、外観も内観も変えていません。さすがに「ゲームセンターたんぽぽ」さんほどレトロではありませんが、昔ながらのパチンコホールの空気をお楽しみいただけるはずです。シマの設備や研磨機なども既存のものを利用していますね。

    ――ホールの時よりは減台されていますよね?

    そうですね。減台して出来たスペースにはレトロゲーム機を置いています。

    ――オープンまでの道のりで苦労したことはありますか?

    自分が打ち込んでいた4号機時代以降のことはわかるんですが、3号機以前の機械は内部について知らなかったので、覚えるのに苦労しました。コインの補給やトラブルの対処の仕方が最近の台と違うんですよね。オープンしてすぐの頃はスタッフたちと一緒に四苦八苦して、色々な方に教えていただきながらやってきました。昔の機械を知ると、今の機械が“いかに使う人のことを考えて作られているか”がよくわかります。

    ――と、言いますと?

    昔の機械って仕掛けはわりと簡単なんですが、取り外し方・取り付け方が妙に複雑だったりするんですよ。ネジをいくつも外して、やっと取れるようになるとか……。それが、最近の機械はワンタッチで済むので、ずいぶん扱いやすくなっていますね。

    ――ちなみに、先ほど「コインの補給」とおっしゃいましたが、循環式でなく実物のコインを使っているんですか?

    はい、当店では実物を使用しています。

    ――他のスロゲーセンでは、営業許可を得るために泣く泣く循環式にされたところもありましたが……。

    台をゲームセンター仕様に手直しする必要はありましたが、営業許可に関してはスムーズでしたね。

    ――かなり地域差があるんですね……。許可に関して苦労したというお話を聞くことが多かったので、意外でした。

    保管台は200超! 設置機種の集め方


    ――設置台と保管台は全部で何台くらいありますか?

    設置は108台で、保管しているものを含めると200台ぐらいあります。時々入れ替えているんですが、まだ一度も出していない台もありますね。

    ――200台もどうやって集めたのでしょうか?

    近隣で閉店したホールさんから売っていただいたり、「たんぽぽ」のメンバーでもあるおやびんさんから買ったりして集めました。

    ――おお、ここでもおやびんさんの名が!

    あと、お客様から譲っていただいた台もあります。ご自宅で実機による動画配信をされていた方から、「もう使わないので、どうですか」……と。スロの「化物語」や「ハナビ」なんかがそうですね。
     


    ――これから手に入れたい台はありますか?

    店名を「レトロ」としているように、レトロ台をもっと増やしたいんですが、古い台って市場に出回っている数があまりにも少なくて、値が張るんですよね。平成の台では4号機の「猪木」とか「銭形」あたりが欲しいと思っています。各世代の有名どころで、現在市場にあまり出回っていない台を入れたいです。「北斗」や「吉宗」は当時から凄い台数だったので、中古市場でも数が多く、わりと安く手に入れることができました。

    ――パチンコのほうはいかがでしょうか?

    私自身はスロットがメインでして、パチンコの機種選定は弊社の社長が担当しています。目下欲しいのは「必殺仕事人3」と言っていました。

    レトロパチンコは羽根モノが人気! スロの人気台は?


    ――レトロ想い出広場では、どの台が人気ですか?

    パチンコは羽根モノや一発台がよく打たれています。一番人気はたぶん「マジックカーペット」ですね。逆に、デジパチ・権利物・電役系はあまり動きません。羽根モノに思い入れのあるお客様が多いのと、羽根モノなら見た目でゲーム性がわかりやすいので、当時を知らなくても遊べるというのが大きいのかなと思っています。一発台では「スーパーコンビ」、デジパチの中では「フィーバーパワフル」が比較的よく打たれていますね。若い方でも夢夢ちゃんは知っている、という印象です。

    ――スロはいかがでしょう?

    高稼働なのは「ミリオンゴッド」と5号機のGODシリーズ(凱旋・ハーデス)です。4号機のミリゴはめちゃくちゃハマることがあるので、もしかしたら5号機GODのほうがよく動いているかもしれません。あとは4号機の「獣王」「アラジンA」あたりが人気です。レトロにこだわっていきたいので3号機以前の台ももっと欲しいんですが、需要があるのは間違いなく4号機だな、と思わされています。ほかにも「アステカ」や「クランキー」あたりがよく動いていますね。
     


    ――客層はどんな感じですか?

    ほとんどが男性で、30代~50代の方が中心です。パチンコのお客様はもう少し上かもしれません。不思議なもので、パチを打ちに来たお客様がスロを打たれることはまずないんですが、その逆、スロ目当てでご来店された若いお客様がパチを打たれる姿はわりと見かけるんですよね。

    ――最近、レトロパチンコが静かなブームですし、若い世代にとっても惹かれるものがあるのかもしれませんね。

    若い世代と言えば、「バジリスク絆」や「初代まどマギ」あたりもよく動いています。最近は5号機も結構人気がありますね。

    4号機の設置が増えるかも? 「レトロ想い出広場」今後の展望


    ――お客さんからの反響をお聞かせください。

    一番多く言っていただけるのは「懐かしい」というお声です。あと、家スロに詳しい方からは「よくキレイな状態で保っているね」と言っていただいたこともあります。メンテナンスに関しては自分でやり方を調べて、常にキレイに見えるよう気を遣っているので、褒めていただくと嬉しいですね。

    ――リクエストは受け付けていますか?

    はい。やはり一番ニーズがあるのは4号機ですね。Twitterのコメントでもリクエストをいただいているので、少しずつでも揃えていきたいと思います。

    ――ちなみに、遠方からのお客さんは?

    レトロパチンコとスロット、両方が打てる場所は限られているということもあって、北は北海道、南は沖縄と、全国各地からわざわざご来店いただいています。去年の夏、同じ建物内にネットカフェができたおかげで、「遠征しやすい環境になった」という声もいただきました(笑)。

    ――では、レトロ想い出広場をどのような場所にしていきたいですか?

    ゲームセンターとしての基本的な考え方なんですが、お年寄りから小さいお子様まで遊べる空間にしたいと思っています。

    ――あっ、小さいお子さんは盲点でした!

    うちの場合、レトロビデオゲームやアーケードゲームのコーナーもありますので、18歳未満不可などの制限は設けていないんですよ。小さなお子様は料金取りませんし、保護者の方の目が届くならOKということで、「どうぞ」とお通ししています。

    ――ご家族連れでいらっしゃることも?

    結構ありますね。幅広い世代に遊んでいただいて、嬉しく思っています。
     


    ――最後に、今後の展望をお聞かせください。

    ホールではスマスロが出回り始めて、スマパチも控えています。実物のコインや玉に触れない方向にシフトしつつありますよね。うちは幸い、実物を使えるので、「やっぱり実物で打ちたい」という方々のニーズにお応えしていければと考えています。

    ――デジタルの数字ではなく、実物のコインや玉を増やしたいという方も多いと思います。本日はありがとうございました!

     

    台数が多いとメンテナンスも大変なはずですが、佐々木さんはそんな苦労を感じさせない、穏やかな語り口が印象的でした。実物のコインや玉でレトロ台を打ちたくなったら、「レトロ想い出広場」へ遊びに行ってみてはいかがでしょうか?

    P-Summa編集部

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