【コロナ対策】パチンコホールに対する誤解が解かれつつあるようです

2020/05/20

トレンド

  • 0518c
    4月7日に発出された緊急事態宣言により、多くの施設が営業を自粛。パチンコホールも例外ではなく、ゴールデンウイークには98.7%ものホールが休業要請に応じて営業を自粛していた。ところが、営業している一部の店舗がワイドショーなどのメディアで大きく取り上げられたことで、ホール批判が加速。非難の声はSNSでも大きく展開されたのである。

    繰り返されるパチンコホール批判


    2020年4月、緊急事態宣言に基づいて各自治体がパチンコホールに休業を要請。4月から5月にかけて、ほとんどのホールが要請に応じて休業に入ったが、一部のホールが営業を行い、行列を作る人々の姿がワイドショーで槍玉に上げられた。吉村大阪府知事が休業要請に応じないホールの店名を公表してもなお営業を続けたホールが数店舗あったことなど、局地的な事象が大々的に報じられた結果、パチンコ業界全体が感染拡大防止に協力していないかのような印象が植え付けられてしまった。
     


    まるで感染源であるかのように批判されているパチンコホールだが、これまでにホールでクラスター感染が発生した事例はあったのだろうか?

    新型コロナウイルスのクラスター感染が発生した施設とは?

    これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。
    一方で、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。 具体的には、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等です。このことから、屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わることによって、患者集団(クラスター)が発生する可能性が示唆されます。

    出典:新型コロナウイルス感染症対策専門家会議|厚生労働省
    厚生労働省が作成した「全国クラスターマップ」によると、医療機関・福祉施設・ライブハウス・スポーツジム・飲食店などを介したクラスター感染が記録されていた。しかし……。

    パチンコホールでクラスターが発生した報告はない

    会見に同席した厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北海道大学大学院教授(社会医学分野衛生学)は、夜間から早朝にかけて、接待が伴うナイトクラブなど飲食店での感染が疑われる事例が相次いでいることを指摘。東京都の積極的疫学調査に基づき「患者の行動履歴からある程度確度が高い」として「夜の街での感染を止めることで制御できる可能性がある」と述べた。ちなみに都内では性風俗店やパチンコ、麻雀などでの感染拡大は現時点では確認されていないという。

    出典:Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
    3月末に行われた東京都の緊急会見では、厚生労働省クラスター対策班の西浦教授が「パチンコホールでの感染が疑われるケースはいまのところ報告ない」と明言した。さらに……。
     

    愛媛県の中村時広知事は5月8日の会見で、遊興施設・遊技施設に対する休業要請の条件付き緩和について言及した。

    そのなかで中村知事は、「パチンコ店は全国でクラスターが発生した事例がない。ギャンブル依存症等の問題があるが法律で認められている業態。そして、愛媛県の(パチンコ店の)経営者の皆さんは、他県のように協力金がセットではない。にも関わらず、県の要請を受け止め要請翌日から速やかに全店休業していただいた」などと述べた。

    出典:グリーンべると
    東京都の緊急会見から1ヶ月と少々、5月8日の会見では愛媛県の中村知事が「パチンコホールは全国でクラスターが発生した事例がないにもかかわらず、要請翌日から速やかに全店休業していただいた」と語った。要するに、事態が深刻化してから現在まで、ホールでのクラスター感染は報告されていないのである。

    パチンコホールでクラスターが発生していない理由は?

    新型コロナウイルスの問題が日増しに深刻化しています。感染を防止するため、パチンコホールでも遊技機のハンドル等の消毒や広告宣伝の自粛等の取り組みを行っています。

    このような中で、一部の国会議員や医学者らによる、「パチンコ店は閉鎖的な空間であり、感染リスクが高い」などとする指摘がありますが、これは明らかに誤っています。

    出典:グリーンべると
    クラスター発生条件のひとつとして、密閉・密集・密接(密着)の「3密」が挙げられるが、パチンコホールはその条件に当てはまるのか? 「1時間あたり1回未満」しか換気できない空間が「密閉空間」と定義されているが、ホールはもともと喫煙できる空間として設計されている為、換気能力が高く、1時間あたり6回以上の換気が行われている。また、ユーザー同士が対面して会話する場面が極めて少ない上、台間にパーテーション(分煙ボード)を設置しているホールも多い。もちろん絶対安全だとは言えないが、3密の条件を満たしにくい施設であると言える。加えて、緊急事態宣言後に多くのホールが営業を自粛したのも、クラスターが発生しなかった理由と考えられる。

    東京都医師会が「17のライフスタイル」を提案

    東京都医師会は13日、記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染が続く中で経済活動を再開させていくことを見据え、「新しいライフスタイル」を提案した。

    猪口正孝副会長は「経済を復興させていく再建していく過程で、自粛をいままでの形ではできない。ライフスタイルを変えないと新型コロナウイルスはあっという間にオーバーシュート(してしまうことが)が考えられる」と述べた。

    出典:Yahoo!ニュース
    5月13日、東京都医師会が新型コロナウイルスの感染が続くなかで、経済活動を再開させていくことを見据えた「17のライフスタイル」を提案。感染拡大防止と経済の復興の為、確かにライフスタイルを変化させていくことは必要と考えられるが……。

    提案の14項目目に注目

    (14)パチンコ、ライブハウス、ジムなどクラスターが本当に発生した場所をどう運営するか知恵がわれわれにはないが、運営の方々が新しいスタイルを考えてもらいたい

    出典:Yahoo!ニュース
    「17のライフスタイル」の第14項目で、パチンコホールが「クラスターが本当に発生した場所」と断言されていた。公表はされていないがそのような事例があったのか、単なる間違いなのか、多くの業界関係者が解答を求め、誤認であるならば訂正をお願いしたところ……。
     

    5月13日に開催いたしました記者会見におきまして、配布資料「都民の皆様と考える、これからのライフスタイル」を説明する際に「ライブハウス、パチンコ、ジムなど今回クラスターが本当に発生した場所をどう運営するか知恵がわれわれにはないが、運営の方々に新しいスタイルを考えてもらいたい」という発言がございました。

    現在のところ、パチンコ店においてクラスターが発生したという情報はなく、三密の発生しやすい場所という部分で、他の施設と混同しての発言となってしまいました。

    関係各所の皆様におかれましては、事実誤認の発言によりご迷惑をお掛けいたしました。今後は、正しい情報を発信していくよう努めてまいります。訂正させていただくとともに深くお詫び申し上げます。

    出典:公益社団法人 東京都医師会
    会見の翌日、東京都医師会が「他の施設と混同しての発言」であったことを認め、訂正して謝罪。この速やかな対応に、多くの業界関係者は敬意を表しているという。

    98%の休業と徹底した感染症対策

    業界団体加盟率が他業界と比べると異常に高いパチンコ業界では、各都道府県の遊技組合を中心に加盟企業への自粛呼びかけが強力に行われており、業界誌調査ではゴールデンウィーク中の休業率は、調査対象8,300軒のうち8,196軒、98.7%(コロナ禍前から休業していた店舗、自粛要請の出てない地域の店舗等を除く)に及んでいるなどという調査結果も発表されていました。業界単位でみた場合、この程までに高い休業率を達成している業は他産業にはほぼ存在しないどころか、多くの業界はこの様な産業内休業率すら集計されていない中で、公民束になってパチンコ店のみをターゲットとして糾弾を繰り返す様は「普段から気に入らなかった/以前から怪しいと思っていた」という理由だけで数万人の人間を文字通り「吊るし上げた」と言われる中世ヨーロッパにおける「魔女狩り」と同様の状態であると言って良いでしょう。

    出典:Yahoo!ニュース
    国際カジノ研究所所長の木曽崇氏は、ゴールデンウイーク中の98.7%という高い休業率を示すと共に、他業種の休業率が集計すらされていない中、パチンコホールばかりをターゲットに糾弾を繰り返すさまを中世ヨーロッパの「魔女狩り」同様であると分析。一連のパチンコ批判が正当でないことを指摘した。これら一連の動きがあってか、ホールに対するメディアの対応も徐々に変化してきたようだ。

    感染拡大防止につとめるホールをメディアが取材


    愛媛県知事の会見や東京都医師会の謝罪から流れが変わり始めたのか。5月中旬、休業中のパチンコホールの様子が地上波で報じられ、玉やメダルを1つずつ手でアルコール消毒する姿が視聴者を驚かせた。この放送を受けて、多くの視聴者がSNSで応援メッセージを投稿。パチンコ業界を見る目が変わった方も多かったはずだ。

     

    緊急事態宣言下で営業を続けたホールばかりがメディアで取り上げられ、多くの非難にさらされたパチンコ業界。だが、ほとんどのホールが感染拡大防止のために営業を自粛したのも、また事実である。宣言が解除された地域などで営業を再開したホールも、入店時のルールとしてマスクの着用や検温を義務化したり、店内設備の消毒を徹底したりと対策を行っている。とかく誤解されがちなパチンコ業界だが、こうやって見ると案外ちゃんとしているのではなかろうか。

    TOP:Twitter

| TOP |