【取材】撤去対策の強い味方!?「パチネージ&スロネージ」を調査してみた

2020/07/25

特集

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    先日「凱旋」を打っていて、ふと思いました。この機種も11月に撤去予定だから、空いたスペースはソーシャルディスタンスをとるためにベニヤで埋めることになるのだろう。でも……ベニヤって地味だよね~と。
    今後迎える旧規則機の大量撤去に備え、どこかの企業が「進化版ベニヤ」とも言えるようなアイテムを開発していないのか? ネットで検索したところ、興味深いものを発見しました! Androidが搭載されている遊技島専用デジタルガジェット「パチネージ&スロネージ」なるものが開発されているそうです! なんだそれは!? 遊技台型サイネージ??

    プライベートスマホはAndroid一筋のP-Summa編集部員。かなり気になったので、パチネージ&スロネージを扱っている株式会社加藤商会にインタビューを申し込んだところ、快く応じてくださいました、ありがとうございます! 営業担当の柴田さんにオンラインでお話を伺いました。

    「パチネージ&スロネージ」は偶然の産物だった!?

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    ――本日はよろしくお願いします。早速ですが、「パチネージ&スロネージ」は何がきっかけで作られたのですか?

    パチネージ&スロネージは、昨年の冬に偶然Androidが入っているサイネージ製品を見つけて、「これをパチンコ・パチスロのサイズにカットしたら色々使えるのでは」と閃いたのがきっかけで制作をはじめました。その当時は旧規則機の撤去問題がありましたし、ベニヤの代わりになると思いましたね。

    ――では、OSがiOSでなくAndroidなのは……。

    たまたまです(笑)。元々OSに詳しかったわけではありませんので……。

    ――ちなみに、パチネージとスロネージはどのような部分が違うんですか?

    中身は同じで、フレームのサイズが違うだけです。詳しくは社外秘ですが、どちらもフレームが簡単に取り付けられるよう工夫しているので、大がかりな工事は必要ありません。

    Android搭載のメリットとは?

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    ――パチネージ&スロネージ(以下、パチネージ)はAndroidを搭載したことで、どのようなことができるようになりましたか?

    シマの枠に設置して、機種説明やホールルールを表示させたり、動画を流したりといったことができます。また、壁に設置したりスタンドに立てかけたりもできるので、休憩スペースにいるお客様にYouTubeなどを自由に見ていただくことも可能ですね。ところが、ホール様から「流されたら困るような映像を再生されたらどうするんだ」と指摘され、なるほどな、と。

    ――YouTubeの動画も色々ありますからね(笑)。

    そこで、タッチパネル対応の「パチネージプラス」と非対応の「パチネージ」を別々に用意しました。非対応であれば、ホール様が流したいものだけを流せますので、今ではこちらの方が多くのお問い合わせをいただいております。

    ――構想的には、「プラス」のほうが先に生まれたんですね。

    両方とも本格的なリリースは今年の11~12月の予定ですが、すでに複数の店舗様にデモ導入していただきました。実際に使用されたホール様からの声は大変参考になっています。

    ――ホールには、パチネージのことをどのように説明しているんですか?

    いつも「大きいタブレットです」と説明しています。諸経費をおさえるため、基本的には説明書を付けてお送りするだけとなっていますが、今の時代、大抵どのホール様にもこういうガジェットに強いスタッフさんが一人はいるので、訪問して説明というのはあまり無いですね。そういう方が「弄り甲斐がある」とおっしゃって、新しいアイディアやご意見を寄せてくださっています。

    ――どのように活かすかはホール次第ということですね。

    そういうことです。はっきり言って、ただ画像や動画を流すだけならもっと安いサイネージがいくらでもありますので、搭載されたAndroidをどう使うかはホール様次第です。例えば、設定した時間に動画を流したり、指定した画面にだけ特定の画像を表示させたりといったことができるので、アイディア次第でお客様を喜ばせることもできるでしょう。
    それと、「全面禁煙」もまだ完全に周知されたとは言えず、スタッフさんからお客様に伝えることが多くなっていると聞きます。それらをいちいち口頭で伝えるのは大変ですし、お互いストレスとなってしまいますので、諸々の伝達事項はシマの中でパチネージに言い続けてもらう方が楽ではないかと思います。
    現在、無料で使っていただけるソフトの互換性テストもしていて、随時搭載予定です。ご好評をいただければ「パチネージ2」の構想もありますし、これからもどんどん機能をブラッシュアップしていくのでご期待ください。

    ホールのアイディアで「激安サーモグラフィー」に!?


    ――ホールからは具体的にどんなアイディアが寄せられていますか?

    一番革新的だったのは「サーモグラフィーにならないか」というアイディアです。

    ――なるほど! 店頭での検温が求められる今、まさに需要がありますね。

    32インチの大画面でチェックできるサーモグラフィーとなると、通常1台140万円前後、まとめ買いしても70~80万円ほどかかります。一方、パチネージは現在、サーマスカメラは別売りではあるものの、1セット30万円ほどでお試しいただいています。

    ――え!? めちゃくちゃ安くないですか?

    ホール様にも「この値段で大丈夫なの?」と驚かれました(笑)。サーマスカメラもピンキリなんですが、安いものを買って精度がイマイチだったら、カメラだけ買い直せばOKです。普通のサーモグラフィーだったらそんなことできませんよね。用途によって様々な使い回しができるというのがパチネージの強みです。

    例えばこの先、サーモグラフィーが不要になったら壁掛けのサイネージとして使えますし、一時的にシマのスペースを埋めていたものを他の場所で使うこともできます。映像を出すだけのサイネージは不要になると廃棄になってしまいますが、パチネージは再利用が可能というわけです。

    進化を続けるパチネージ


    ――撤去対策で開発が進められたとのことですが、コロナ渦の影響で旧規則機の一部が撤去延期になりましたね。

    以前までは7月にリリース予定だったのですが、その関係でこちらも11~12月リリースに延期となりました。しかし、悪いことばかりではありません。結果的に他社のサイネージを使っているホール様からお話を聴けたり、パチネージをデモ導入していただいたりと、よりパフォーマンスを上げるための準備期間ができました。予定通りリリースしていたら、サーモグラフィーとして活用する案をテストできなかったかも知れません。

    ――その準備期間を利用して、新しい生活様式仕様にブラッシュアップできるわけですね。

    そうですね。元々この夏は、旧規則機の撤去だけでなく、オリンピックも予定されていましたよね。パチネージの活用方法のひとつとして、シマで中継を流せば、オリンピックを見たいお客様が帰ってしまうのを止められるのではないかとも考えていました。この使い方は少なくとも今夏にはできなくなりましたが、いつか試して頂きたいですね。

    ――そう言えば、7月24日に開会式の予定でしたね……。

    とは言え、11~12月には「凱旋」や前倒し認定していない「大海」の撤去がありますし、年末に向けてシマを埋めるものは必要になってきます。パチネージは台間設置以外に壁掛けやサーモグラフィーといった使い方もありますから、今後の状況に応じて、柔軟に対応できるのも強みです。

    ――今でもデモ店の募集はしているんですか?

    はい。ゆくゆくはタッチパネルの「パチネージプラス」を15万円前後、タッチパネル無しの「パチネージ」を12~13万円でご提供しようと思っていますが、この夏はキャンペーン価格として送料込み11万8000円でお試しいただけます。設置作業はホール様にしていただくことが前提ですが、新台入替よりも簡単に取り付けが可能なので、ご安心ください! 訪問費などの諸経費を削ることで、この価格帯でご購入いただけるようになりました。

    興味のある方は、私、柴田健蔵(メールアドレス:shibata@katoshokai.co.jp)にご連絡いただくか、弊社のお問い合わせフォームにお越しいただければ幸いです。

    ――ホールがどんな風に活用するかも楽しみです! 本日はお忙しい中、ありがとうございました。

     

    シマの空きスペースを埋めるために作ったものが、まさかサーモグラフィーになるとは驚きました。このサイネージは「再ネージ」とも呼ばれているらしく、他にも多彩な使い方が生み出されそうな予感がします。パチンコアプリをインストールして、シマに設置するホールも出てくるかも知れませんね!

    P-Summa編集部

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