パチンコ・パチスロともに、相次ぐ規制により過渡期となった2016年。厳しい制約の中、各メーカーは工夫を凝らし、ユーザーを楽しませる機種を開発してきた。今年も業界人たちが年の瀬恒例の座談会を開催、『優秀台オブ・ザ・イヤー2016』の選出を行った。
『CRA海物語3R』(SANYO)・『CRヱヴァンゲリヲン10 PREMIUM MODEL』(ビスティ)・『CR真・花の慶次 L6-K』(ニューギン)・『CR牙狼復刻版XX VV』(サンセイR&D)など、今年も人気シリーズが続々とリリースされた。が、業界人たちが優秀台として挙げたのは、比較的マイナーな機種が中心であった。
①『CR戦国†恋姫FPL』(藤商事・10月)
実質継続率約88%という屈指の連チャン性能が評価された。確変が始まるとトイレに立てなくなるシステムは賛否が分かれたが、ドMな業界人は「だがそれがいい」と断じた。
②『CR天下一閃』(Daiichi・10月)
確変なし・液晶なし、玉が入賞すれば一撃4500発という硬派なスペックが、業界人たちにウけた。特に関西地方で評判が良いとのこと。
③『CR銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』 (Daiichi・4月)
Daiichiから見事2つめのノミネート。ある業界人は「ストックタイムの2分間は本当にアツい」と興奮気味に話した。
④『ぱちんこCR真・北斗無双』(サミー・3月)
ST突入率50%・継続率80%というわかりやすいゲーム性と、電チュー当選時は半分が16Rという出玉性能が好評を博し、「安定のメイン機種」と呼ばれた。
激論の末、パチンコ部門の「優秀台オブ・ザ・イヤー2016」は、『CR天下一閃』(Daiichi)が選ばれた。
MAXタイプが規制され、残った機種も年末に撤去となってしまったが、ユーザーを代表する業界人たちはやはり一撃の出玉性能を求めているようだ。
それにしても、液晶演出なしでベストに輝くとは大したものである。
2016年のパチスロは「新基準機の辛さ」が露呈。旧基準機の人気機種に稼働が集中し、一部の機種は中古機価格が異様な高値を示すなどの異常事態に陥った。そんな中でも、業界人たちは新基準の優秀台を発掘してきた。
①『マジカルハロウィン5』(KPE・2月)
KPEオリジナルコンテンツのロングセラー。「低設定でもそこそこ初当たりが取れて遊びやすい」、「アリスかわいいよアリス」などの声が上がった。
②『コードギアス 反逆のルルーシュR2』(サミー・5月)
高度な頭脳戦が話題となったアニメとのタイアップ機。低設定のART突入率はかなり低く設定されているが「一度入ればかなり面白い」とのこと。
③『デビルメイクライクロス』(7月・エンターライズ)
「神域の映像美」にたどりついたという意欲作。「演出がかっこいい」、「魔人召喚チャンスで一度でも大きく上乗せすると止まらなくなる」と評価された。
④『ロードオブヴァーミリオン』(10月・七匠)
スクエニの本格派オンラインカードゲームとのタイアップ機。「上乗せゾーンが豊富で掛け合わせもある」、「マナシステムはレア役のヒキ弱にはありがたい」と、ARTの性能が支持を集めた。
2015年の「優秀台オブ・ザ・イヤー」は断トツで『ハナビ』となったが、今年もAタイプが健闘。ノミネートとはならなかったものの、
6月にサミーが『A-SLOT偽物語』を、
アクロスが7月に『バーサス』、
さらに10月には『クランキーセレブレーション』を出すなど、Aタイプのファンには忙しい年となった。
同じ『偽物語』でもART機の方は「クソ台オブ・ザ・イヤー」にノミネートされている。同一コンテンツとのタイアップでここまで明暗が分かれるのも珍しい。
熱い論戦が繰り広げられたが、パチスロ部門の「優秀台オブ・ザ・イヤー2016」は該当ナシという結果になった。
優秀台の一つにゲーム性などがわりと好評だった『ロードオブヴァーミリオン』があげられたが、導入台数が少ないことから、「優秀台」の称号を得ることができなかった。
2016年はパチンコ・パチスロ共に「非アニメ系」の機種が「優秀台オブ・ザ・イヤー」に輝いた。しかし、それが意外なことと感じられるほど、人気アニメとのタイアップは非常に活発。来年は腐女子御用達アニメ「おそ松さん」のパチンコとパチスロが出るが、これに関して業界人は「パチが人気になればアニメの続編が製作されるかもしれない」と発言。全国の腐女子たち、ぜひホールに出かけて、六つ子たちを養ってほしい。
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