【取材】賞金総額200万! 新台入替競技「iスポーツ」の大会が開催されたようです

2023/03/13

特集

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    遊技機の入替スピード・正確さを競う「iスポーツ」が本格化! 昨年11月、東京で「日本シリーズ2022」が開催され、賞金総額200万円を巡って熱い戦いが繰り広げられました。主催する「一般社団法人日本iスポーツ機構」は2020年11月に発足。当時もP-Summa編集部で取材をさせていただき、競技化に込めた思いや、最初の大会ルールなどをお聞きしましたが……。

     

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    あれからルール変更があり、賞金総額もアップしたそうです。新たに生まれたばかりのiスポーツがどのように発展しているのか、日本iスポーツ機構事務局長の多斐さんと理事の堀さんに伺いました!

    「GENNOUカップ 第1回入替屋選手権」の反響


    ――本日はよろしくお願いします。まず、2021年5月に開催された「GENNOUカップ 第1回入替屋選手権」の反響をお聞かせください。

    東京での開催だったのですが、大阪のホール店長さんや栃木の大工さん、設置業者さんなど、様々な地域・業種の方々にご参加いただきました。競技の模様は大崎一万発さんとヒロシ・ヤングさんに実況をお願いしたこともあって、拍が付いたと思います。大会はヤングさんのYouTubeチャンネルやケーブルテレビでも取り上げていただきました。

    ――第1回大会前の取材では、審査基準に「印象点」という項目があるとお聞きしましたが……。

    そうなんです。当時の理事会の中で、台入替の「タイム」と「正確さ」のほか、“面白い印象”を残した選手に得点をあげたいという案があがっていたのですが……やはりシンプルな形にしようということで、開催の一ヶ月前ぐらいにいったん白紙に戻しました。今では幻の評価基準となりましたが、その思想自体は日本シリーズ2022にも受け継がれているんですよ。

    大会ルールの変化

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    ――印象点のほかにも、「日本シリーズ2022」が開催されるまでに色々と変更点があったようですね。

    はい。まずGENNOUカップでは、取り付けに玄翁(金槌)、傾斜の調整に下げ振りを使うクラシカルなスタイルだったのですが、残念ながら玄翁や下げ振りを使う方って今では少数派なんです。より参加者を増やすため、日本シリーズでは電動ドリルと傾斜器に変更いたしました。

    ――現実に即した形になった、と。

    賞金総額を30万円から200万円にアップしたのも、やはり参加者を増やすためです。

    ――大会の名称を変えた理由は何ですか?

    玄翁を使わないスタイルになったのが一つ。もう一つは「この競技をもっとメジャーにしたい」、「派手にやろう」という意志ですね。野球やゴルフの有名な大会を意識しました。

    ――他にはどんな点が変わったのでしょうか?

    さきほど触れた「印象点」の扱いですね。日本シリーズ2022では特別賞の「エンジョイ&エキサイティング賞」として取り入れました。
     


    ――ちなみにエンジョイ&エキサイティング賞って、賞金とか賞品は出るんですか?

    賞品として6ケース、計50kgのビールが贈られます。

    ――羨ましい! でも重い! あ、それってちょうど最近の遊技機の……(笑)。

    その通りです。理事長から「もっと大会を盛り上げるには?」とアイディアを求められて考えました。

    ――改めてビール6ケースと言われると、遊技機って本当に重いですね。競技で使われている機種は少し軽いとは言え、あのスピードで軽々と運んでいる選手の皆さん凄いです。

    ※GENNOUカップの「ワイルドロデオ」が33.5kg、日本シリーズ2022の「高須クリニック」が34kg

    あとは宣伝方法も変えましたね。GENNOUカップはなにぶん初開催で、色々と手探りだったもので、情報の拡散も不十分でした。時期的にコロナの影響も大きかったんですけどね。日本シリーズ2022では、ホール様のTwitterアカウントで広めていただいたり、P-WORLD様の管理画面にバナーを貼っていただいたりと、告知経路を増やした結果、総参加者は3倍になりました。

    ――かなり増えたんですね。参加者の業種の内訳はいかがでしたか?

    予選を勝ち抜いた24名のうち、ホール関係者の方が8名、ユーザーの方を含む一般の方が16名でした。

    ――意外と一般の方が多いんですね!

    「日本シリーズ2022」の見どころ

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    ――ルール変更で電導ドリルを使うことになった日本シリーズ2022ですが、やはり設置スピードは変わってくるのでしょうか?

    比べようがない、と言っていいと思います。GENNOUカップでは「3分を切ったら凄い」という感じだったのが、日本シリーズ2022では1分半を切るレベルでしたからね。ちなみに最速記録は1分8秒でした。

    ――速い!

    私たちから見ても速いと思います。それと、GENNOUカップでは「何をやっているのかわからない」というご指摘もあったんですね。観戦する側も玄翁を使ったことのない方が多いので、技術的な面白さが伝わりにくい、と……。現在主流の電動ドリルに変えたことで、見ている側も楽しみやすい競技になったと思います。

    ――話は少し逸れますが、ホールで玄翁から電動ドリルへ移行されたのは、いつ頃のことなのでしょうか?

    今から20年前にはほぼ切り替わっていました。過渡期は2000年代の前半あたりでしょうか。関西では今でも玄翁を使っている方がいらっしゃいますが、関東ではほぼ皆無だと思います。玄翁と釘を使うと、電動ドリルのビスより空く穴が小さいので枠が痛みにくいというメリットがあるのですが、作業スピードや安全面を考えると、移行は自然なことと言えるでしょうね。

    ――大会の模様は動画で見られるんですよね。入替の速さ以外の見どころとは?

    選手の皆さまの顔つきですね。入替作業に詳しくない方でも、競技中の真剣な表情は見応えがあると思いますし、勝敗が決まった時の喜びや悔しさにはそれぞれの人となりが出ています。普段の生活ではなかなか見られないものではないでしょうか。

    ――そう聞くと、本当に「スポーツ」なんですね。技術面ではいかがでしょうか?

    上手な人は“音”が違います。

    ――音……?

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    バタバタしないんですよね。速くて正確な人の作業音を聞いていると、淀みがなく、無駄な音がしません。実況で続投いただいたヤングさんも、優秀な選手に対して「音が綺麗」とおっしゃっていました。

    ――耳を澄ませば職人芸が感じ取れるんですね。

    あと、GENNOUカップはコロナへの警戒もあって無観客だったのですが、日本シリーズ2022は有観客で開催できて、選手の会社の方などが大勢駆けつけて声援を送っていました。その盛り上がりも動画を通じて感じていただきたいです。

    ――声援によって力が発揮できた選手もいたでしょうね。まさにスポーツです。

    次回開催は2023年11月? 今後の展望を聞いてみた

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    ――最後に今後の展望をお聞かせください。

    次回開催は2023年の11月を目指して動いています。内容的には、選手の表情や作業音といった見どころ(聴きどころ)があるとは言え、やはり一般の方には技術的な凄さが伝わりにくいので、もっとエンタメ性を増やしていきたいですね。裾野を広げるという意味では、一般の方が参加しやすい小さな大会も検討しています。

    ――その小さな大会の優勝者が本戦で活躍したら熱いですね。でも、本職でない一般ユーザーが設置業者の方と競って勝ち目はあるのでしょうか……?

    日本シリーズ2022でも、本職でない方がかなり健闘されていました。台を運ぶ力さえあれば、あとは器用さとセンス次第で勝機はあると思います。

    ――なるほど……!

    それと、台を提供していただくメーカー様からは、「台を稼働させてほしい」というご要望をいただいています。

    ――ということは、設置作業に出玉勝負を絡めるとか……?

    現段階では何とも言えませんが、より多くの方が楽しめる競技に進化させていきたいですね。

    ――可能性に満ち満ちていますね。今後が楽しみです。本日はありがとうございました!

     

    大会動画を見てみると「設置精度によるタイム加算」の塩梅が絶妙で、速いだけでは勝てないし丁寧なだけでも駄目という、スポーツとしての面白さが味わえます。進化が期待される今年以降の大会、観戦は勿論、参戦も検討されてみてはいかがでしょうか?

    P-Summa編集部

     
    ●「日本シリーズ2022」前半

     

    ●「日本シリーズ2022」後半

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