先日、サミーが恒例のショールーム開放を行なったことが話題となっている。そこで今回は、サミーが10年近く行なっているショールーム開放とはどのようなものなのか調べてみた。
【ニュース】サミーが高齢者向けに「ショールーム開放」パチ○コが高齢者の身体・精神機能回復に有効といわれていることから実施へ – http://t.co/dISOUp3Qku #2ch #news #vip
— 2chファインダー (@2chfind) 2015, 9月 3
サミーがショールーム開放を行なったことが新聞などを賑わした。
サミー(東京都豊島区)は18、26の両日、豊島区内の通所型高齢者福祉施設の利用者に対し、恒例の「ショールーム開放」を行った。この試みは、同社のCSR活動の一環として2006年6月27日にスタート。9年間継続実施された結果、26日の開催で205回目を迎えた。
出典:【ピックアップ】高齢者「ショールーム開放」200回超 (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)
サミーは、なんと2006年から毎月2回開催して今まで取り組んできたという。
毎月2回にわたり社会福祉協議会を通じて、高齢者の方を弊社のショールームへご招待しております。
各部署からボランティアを募り、遊技説明などをふまえ社員と地域の方とのふれあいの場を提供しております。
出典:サミーのCSR活動|企業情報|サミー パチンコ・パチスロメーカー
これが優しい企業サミーのCSR活動なのである。
では、サミーが行なっているCSR活動というのがどういったものかというと、企業が社会に対して責任を果たし、社会とともに発展していくための活動なのだとか。
では企業はCSR活動として何を行えばよいのでしょうか。 企業は、事業活動を続けていくにあたり、従業員、顧客、取引先、仕入先、消費者、株主、地域社会、自治体や行政など多様な利害関係者(ステークホルダー)と関わっています。
彼らと積極的に対話し、良好な関係を保ちながら経営を続けることこそがCSR活動にほかなりません。
出典:CSRの取り組みとは? | すぐわかる CSR | CSR(企業の社会的責任) | オムロン
CSR活動は、今回のサミーのような取り組以外にも大手パチンコホールが毎日行なっている地域の掃除やエコキャップや募金といったちょっとした活動も含まれる。 つまり、企業がその責任を果たすためにも社会、地域といったコミュニティーと良好な関係性を築くための取り組みなのである。
地域の一人一人をお客さんとして行動できるCSR 活動は企業姿勢の現れでもあり大切にしてほしい http://t.co/pBRRKebcd1
— すい@ベイスターズ (@suisui86) 2015, 9月 13
こうした取り組みをしていくことで地域や住民との信頼感を勝ち取り、企業そのものの価値を向上することにつながり、最終的には業界全体の価値を押し上げることに繋がる活動なのだ。
そして、パチンコという遊戯は高齢者たちを元気にするという側面が、昨今の介護現場では周知の事実として認識され、これを上手く介護の現場に取り込もうとしているのだ。
慰問パチンコ大会、31年目に突入: 嘘くさいCSR活動も多いけど、こちらはなんだか久しぶりにホッとするニュース。新潟市遊技場組合では11月10日、市内の養護老人ホーム《松鶴荘》にて毎年恒例の老人ホーム慰問ふれ愛パチンコ大会を… http://bit.ly/i3IEKd
— aris_bot (@xxxarisxxx) 2010, 11月 22
特養や有料老人ホームは勿論のこと、デイサービスなどでも月に1~2回パチンコをプレイしに行くなど、パチンコ台を1台月2万円程度でメーカーからリースして利用している所もあるのだという。
「老人ホーム」と「パチンコ」―一見なんの関連もなさそうだが、この2つの言葉が福祉・介護の現場で融合し、現場に活況をもたらしている。いま、老人ホームやデイサービス施設が福祉用のパチンコ台を購入・レンタルして設置するケースが増えているのだ。
出典:介護現場で人気の福祉用パチンコ 認知機能の向上にも効果か│NEWSポストセブン
こうしたことを介護現場では「トレパチ」と呼んでいるのだそうだ。
「トレパチ!」は、高齢者の身体機能のトレーニングや認知症予防に寄与するというコンセプトである。
また、パチンコ玉の誤飲を防ぐためにパチンコ機の上皿にカバーを装着し、玉に触れない「循環式」にしたほか、静音化対策のために樹脂を使った専用玉を使うなど高齢者に配慮されている。 介護施設などに1台当たり月額2万円でレンタルされる予定で、試験的に導入した施設からは「元気のなかった高齢者が元気にパチンコに出かけるようになった」「子供のお遊戯のようなリハビリに抵抗感のある高齢者が楽しく遊んでいる」という声も聞かれるそうだ。
出典:パチンコ産業が老人を元気にするのか? 老人の財布がパチンコ産業を元気にするのか?|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS
こうして今やパチンコは、日本の介護現場にはなくてはならないものになっているようだ。これは、パチンコの新しいカタチ、可能性が広がったという朗報ではないだろうか。
このように有効活用できるのであれば昨今、客離れが久しいパチンコ業界をたてなおす起爆剤になるかもしれない。
ただし、高齢者の介護で実際に貨幣が動くことを問題視する声があることも事実で、こうした動きに行政がまったをかけるケースもあるようだ。兵庫県では以下のような条例の制定がすすんでいるという。
県は24日、高齢者の機能訓練としてパチンコやマージャンなど射幸性の高い遊技を提供する介護サービスを規制する条例改正の素案を発表した。
出典:県:介護に「射幸」遊技規制 パチンコ、マージャンなど条例素案 /兵庫 – 毎日新聞
同県は、射幸心を煽ってしまうことを問題だと考えているようで、パチンコやマージャンといったものをカードゲームなどに変更できるのではないかと考えているようだ。
兵庫で「アミューズ型介護」の一部規制へ-都道府県で初 http://t.co/yy6ouw1ovL パチンコなら1番玉を出した人の勝ちとか麻雀とて単純にポイントが多い人の勝ちとかやり方次第。何でもダメでは、それこそ痴呆を進め、余生の楽しみを奪う事にならないか?
— ドン・マーシー (@yamasuka8tota) 2015, 8月 26
このように、なんでも規制してしまう昨今の風潮を危惧する声も多くみられた。射幸性に関してはまだまだ今後の議論が必要だろう。
ただ、今回のサミーのこうした活動は、パチンコが人々に求められているという証でもあり、世界に先駆けて高齢社会となった日本において新しいカタチとして定着することができれば、衰退している業界だけでなく、介護の現場をはじめとした多くの問題を解決する糸口になるかもしれない。