年末年始と言えば、全国のパチンコホールにとって大切なかきいれ時だが、コロナショックを経た今年の年末年始は例年のそれとはひと味違うだろう。
まずは分散休業が求められている件。一時取り沙汰された17連休案(12月25日ごろから1月11日)は政府が否定したものの、呼びかけの通りに休暇が分散すれば、ホールにとっては例年より長い「年末年始休み」=「かきいれ時」となる。さらに、コロナショック後の客層の変化や新台適合率の推移も見逃せない。
これらの状況変化を分析し、的確なアプローチができるホールこそ、今の時代に生き残れるホールであり、「ユーザーに還元できる強いホール」ではないだろうか。
日遊協、「パチスロプレイヤー調査2019」発表 ~参加人口は約150万人増加https://t.co/bWQc9NjefS
日遊協は「パチスロプレイヤー調査2019」の概要版を発表。それによると、パチスロ参加人口は若年層を中心に大幅な増加が見られ、前年より約150万人多い809.4万人まで回復した。
— パチンコ・パチスロ情報島 (@johojima) May 19, 2020
日遊協はこのほど、「パチスロプレイヤー調査2019」の概要版を発表した。6号機への切り替えが進むパチスロ市場だが、プレイヤーの参加実態や6号機への評価などがまとめられている。
調査結果によると、2019年のパチスロ参加人口(年1回以上遊技)は809.4万人。2018年(659.5万人)と比較し、約150万人増と大幅に回復した。特に「10代・20代」(約52万人増)、「30代」(約43万人増)だけで100万人近く回復するなど、若年増の増加が目立つ。参加状況として「この1年以内に始めた」と回答する割合が低いことから、新規層ではなく再開層による増加と見られる。
出典:グリーンべると
まずは近年のユーザー層の変化を見てみよう。日遊協の発表した「パチスロプレイヤー調査2019」によると、2019年のパチスロ参加人口は809.4万人で、2018年の659.5万人から大幅に回復。特に10代~30代だけで100万人ちかく回復しており、若年層のスロッターが増加傾向にある。一方で、パチンコの参加人口は……。
パチンコ・パチスロ参加人口、前年から微増し1,021万人に#パチンコ #パチスロ #遊技人口 #増加https://t.co/g8STS2VwjY
— パチトレ@管理人 (@ptrend2020) May 22, 2020
遊技別では、パチンコ参加人口は約894万人(前年は約912万人)、パチスロ参加人口は約718万人(同685万人)。年代別の参加率では、2013年以降からすべての年代において1割前後となっており、参加人口は2013年以降、概ね1,000万人前後の現状維持で推移している。
長期的に見て、遊技人口の減少幅が大きいのはパチンコだが、一方のパチスロは2000年前後に比べると、確かに減少しているものの、その幅は小さく、近年はむしろ微増傾向(2018年調査→約618万人、19年→約686万人、20年→約718万人)が見られる。
パチスロの参加人口が微増した要因について同社は、2019年3月に発売した大都技研の6号機「Re:ゼロから始める異世界生活」が若者の遊技につながったことや、旧規則機の打ち納め層が増加したことなどが考えられると分析した。
出典:グリーンべると
株式会社シーズがエンビズ総研、APJと共同で実施した「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2020」によると、パチンコユーザーは前年と比べて、約912万人 → 約894万人と減少傾向にあるという。また、この調査でもスロッターは、2018年 約618万人 → 19年 約686万人 → 20年 約718万人と増加傾向にあり、『Re:ゼロから始める異世界生活』のヒットによって、ホールに訪れる若者が増えたと分析している。
8月のパチンコ店の売上高 業況の回復足踏み/特定サービス産業動態統計調査 https://t.co/cSyVEqf6MT
— パチンコ業界誌「遊技日本」 (@yuginippon) October 9, 2020
経済産業省大臣官房調査統計グループは16日、特定サービス産業動態統計調査における2020年8月分の確報を公表した。
パチンコホールの売上高は2343億4400万円で、前年同月比での増減率はマイナス21.7%。8月はコロナ禍による外出自粛も落ち着いてきたものの、高齢者層など一部の客層においては以前のような稼働状況には至らず7月から微増に留まった。前年同月比では8割程度の水準で推移し、これで14カ月連続のマイナス推移となった。
出典:パチンコ・パチスロ情報島
一方、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2020年8月のホール売上高は7月から微増しているものの、新型コロナウイルス感染リスクを懸念した高齢者層の戻りが思わしくないとされている。
これらのデータを見ると、今のホールは若いスロッターが増え、高齢者ユーザーは減っていることが分かる。では……。
ジャグラーが初心者向けってなってるけど、液晶ないし目押しもいるしって考えると目押し不要な押し順AT機のほうが初心者というか若者にはおすすめな感じがあるな
— ベンチ猪俣 (@bench_i) July 7, 2020
若者には海より無双打たせたほうが楽しんでもらえそうですよねえ。
— ベンチ猪俣 (@bench_i) July 7, 2020
2020年の年末商戦に向けたビッグタイトルとして、12月14日にいよいよ6号機『アイムジャグラーEX』がリリースされる。しかし、若いスロッターに対してジャグラーの吸引力はどれほどのものだろうか? 無論、ジャグラーが好きな若者も少なくはないはずだが、ジャグラーのシマのメイン層は、やはり中高年以上というホールが大半ではないだろうか。ジャグラーはゲーム性が極めてシンプルであり、一周回って上級者向けとの見方もある。
【コラム】6号機『アイムジャグラーEX』導入時に考えるべきポイント! https://t.co/VbHWUJLxzq
— パチンコ業界誌「グリーンべると」編集部 (@web_greenbelt) October 20, 2020
6号機の『アイムジャグラーEX』の納品が12月13日に決定しました。元々は5月頃の登場予定でしたが、一連のコロナ禍によって導入時期が未定となり、多くの業界関係者が“導入はいつなのか”と気にしていたことでしょう。
5号機の『ニューアイムジャグラーEX–KT(認定機)』と『アイムジャグラーEX–AE(検定機)』の設置期限は、来年の1月までは残っているので導入日を12月にするのか1月にするのか、迷っているホールも多いようです。
まず前提として、5号機の『アイムジャグラー』シリーズが健在のうちは、6号機の『アイムジャグラーEX』がそれよりも高稼働することは考えにくいという事です。
出典:グリーンべると
さらに6号機ジャグラーには大きな懸念点がある。というのは、5号機の『ニューアイムジャグラーEX–KT』と『アイムジャグラーEX–AE』が、認定を取得していれば2021年1月まで設置可能だということ。5号機ジャグラーがあるうちは6号機ジャグラーは稼働しにくいだろうと業界人も予想している。
「高齢者のユーザーが減っている」ことに加え、「5号機ジャグラーがまだある」という状況では、6号機ジャグラーの入替だけで年末年始を盛り上げるのは難しいに違いない。
では、ジャグラー以外に武器となり得る機種は何か? 「リゼロ」のヒットにより若いスロッターが増加した経緯から、シンプルなAタイプより人気版権の液晶機が武器になると推測できる。しかし……。
新基準以降、パチスロ機作るの大変なんだな…(´・ω・`)
保通協の型式試験、パチスロ適合率がさらに悪化 https://t.co/KbFczPMiQW
— ちゃん岡 (@chanoka_2020) October 5, 2020
保通協は10月1日、令和2年9月の型式試験状況を発表した。
それによると、パチンコの適合率は前の月と比べ、約3.5ポイント増の約40.8%と続伸した一方、パチスロの適合率は、前月比マイナス3.6ポイント減の約13.1%と4カ月連続で下落し、今年の最低値を更新した。
出典:遊技通信web
保通協の発表によると、2020年9月のパチスロ適合率は約13.1%と、今年最低の数値となった。しかも、これで4ヶ月連続の下落。6号機(6.1号機)の規則に沿いながらユーザーに喜ばれる新台を作るのはかなり難しいようだ。
適合率の低さが新台導入のスケジュールに大きな影響を及ぼしているのが、まさに今年の年末年始を挟む時期なのである。
こんばんは(*・ω・)ノ*゚
12月、1月の新台のラインナップをまとめました
年末年始のタイミングではありますが、例年になく機種数が少ないですね
どんな機種構成でお客様をお出迎えしようか…毎日悩んでます(๑-﹏-๑)
明日は少し新台の案内ができそうですよー#パチンコ#スロット#新台 pic.twitter.com/mXq0AbebsE— うららの新台購入最前線 (@PIA_pachi_slo) October 20, 2020
11月16日導入
◆パチンコ
・ぱちんこウルトラセブン 超乱舞(京楽産業.)
・P銭形平次2 疾風ST Ver.(高尾)
・P牙狼コレクション 遊タイムver.(サンセイアールアンドディ)◆パチスロ
・パチスロ モンスターハンター:ワールド(エンターライズ)
出典:グリーンべると
2020年10月末現在、11月下旬~2021年1月のパチスロ新台の導入予定は以下の通り。
・11月16日
『パチスロ モンスターハンター:ワールド』(エンターライズ)
・12月14日
『アイムジャグラーEX』(北電子)
・12月21日
『パチスロ 哲也 -天運地力-』(Daiichi)
『パチスロひぐらしのなく頃に祭2』(オーイズミ)
・1月12日
『南国育ち30』(アムテックス)
・1月予定
『ニューハナハナゴールド‐30』(パイオニア)
『パチスロ頭文字D』(サミー)
肝心の年末直前の新台が極めて少ない。若年層のスロッターに好まれそうな人気版権機種に絞ると、さらに少なくなる。
そのことを踏まえると、ほとんどのホールは11月16日以降に「月下雷鳴」の後続機「モンハンワールド」を導入するはず。だが、かきいれ時である12月25日~1月11日の期間をより盛り上げるには、さらなる一手を打つものと予想できる。
哲也、ひぐらし…
年末の機械、どぎゃんしゅうかな⁉️ pic.twitter.com/JgR8T6t87Y
— ジェロ (@sagayokatoko) October 21, 2020
ホール目線で考えた場合、現状、最も活発な客層である若いスロッターを呼び込むため、12月にわずか2機種しかない人気版権のパチスロ新台『パチスロ 哲也 -天運地力-』と『パチスロひぐらしのなく頃に祭2』を導入するのではないだろうか。
年末年始を盛り上げるというビジョンを持ち、今後も意欲的な営業を行っていくつもりのあるホールは、かきいれ時に的確なアプローチをするはずである。逆に、12月21日の週の導入を見送るようなホールは、年末年始営業に対する意欲やそもそもの予算が不足しているものと見て、避けたほうが無難かもしれない。
特殊な状況だからこそ、明確なビジョンを持つ“やる気”のあるホールとないホールの見極めはしやすいのではないだろうか。行動範囲内のホールの新台入替予定には敏感になっておこう。