【ホール取材】チャレンジャー幸手店のひげ紳士に店舗復活の秘訣!?を聞いてみた

2018/11/03

特集

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    「パチンコ店買い取ってみた」の動画で、一躍有名になったチャレンジャー幸手店のオーナー・ひげ紳士さんをご存知でしょうか?
    動画内で店舗の売上や粗利など、普通は絶対見せない数字を赤裸々に公開したり、運営についての奮闘ぶりを語ったりと、応援せずにはいられない誠実すぎるお方です。P-Summa編集部員も、その魅了的な人柄に惹かれ、密かにその動向を見守っておりました

    しかし、そんなある日、突然の悲報が舞い込みます……。なんとチャレンジャー幸手店(通称 幸チャレ)が、2018年1月末をもって一時休業することに! 全国のパチンコホールの総数が減少している昨今、幸チャレ復活も厳しいのでは、と思っていた人も多いはず。
    さらに、輪をかけての悲報。2018年4月に再開するはずだったのに、まさかの延期。このまま幸チャレも終わってしまうのか、と全国のファンに行く末を案じられていましたが……今年5月、無事に営業を再開されました! いや~良かったです!

    でも、傍目から見たら、けっこうヤバイ状況だったと思うんですが、どうして営業を再開できたのでしょうか?
    そして、確実にあるであろう、ホール運営へのこだわりとは?
    気になった編集部員は、埼玉県にあるチャレンジャー幸手店に取材を申し込み、ひげ紳士さんを直撃してきました!

    ひげ紳士にインタビュー! 「チャレンジャー幸手店」再開までの道のり

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    ――遅ればせながら営業再開おめでとうございます。設置台のほとんどがみなし機、つまりほぼ全台撤去という状態からの再開は大変だったのではないでしょうか?

    ええ、それはそれは大変でした。でも、動画を通じてお客さんがずっと応援してくれていたので、絶対に再開するぞという気持ちが強かったです。ただ、当初は4月に再開する予定だったのが、1ヶ月遅れて5月になってしまいました。

    ――ネットではそれを受けて「やっぱり再開は難しいのか……」と言っている方もいましたが、復活が遅れた理由は、なんだったんですか?

    休業に入る時点で、設置240台のうち220台が撤去対象でした。これからまた長い年月をかけてレアな台、古い台のお店を作っていきたいんですが、再開にあたり、何を設置すべきかなかなか決められなくて……(笑)。それで再開が遅れてしまったんです。

    ――なんと! “こだわり”ゆえに再開が遅れていたんですね! 大変恐縮ながら、財政面での問題かと……。
    では、どのように機種選定を行ったのですか?

    もちろんコストのことも考えたうえで、中古機価格が安くて、なおかつ設置台数が少ない台を選びました。全国でこんな店は他にないと思うんですが、うちは高射幸性パチスロ機が一台もないんです(笑)。
    再開当初は甘デジが入れられず、パチスロも少なかったので、あとで追加しました。5月から10月までに計60台ほど増台しています。

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    ――何か思い入れのある、あるいは思い入れの持てそうな台を選んだわけではないんですか?

    僕にとっての思い入れというのは“長い間ホールに設置して初めて生まれる”ものなんです。再開の時点で買える中古機は全て、およそ2年後には撤去しなければならない機種です。たったそれだけの期間では思い入れが持てません。なので、今はできるだけ早く新規則の機種を入れて、長く使いたいです。
    機種に思い入れがない分、せめて“こんな風に遊んでほしい”という意図を込めて配置してあります。例えば、同じ機種を2台並びで設置したのは、まさに連れ打ちで遊んでほしいなという意図です。

    ――楽しませていただきました(笑)
    ※編集部員2名、インタビュー前に遊技させていただきました。
    新規則機をなるべく早く入れたいとおっしゃいましたが、注目している機種はありますか?

    新台の情報は一応目を通してはいますが、正直“ふーん、出るんだ”ぐらいの感想です(笑)。そもそもうちは新台を入れるという選択肢がありませんし。
    休業する時、撤去になる台を倉庫にしまったんですが、全台残らず、お客さんの顔が思い浮かびます。僕にとって機種への思い入れというのは、スペックとかタイアップしているコンテンツではなく、お客さんとの思い出なんです。まだ置いていないものに思い入れを持つということはありません。新規則機は買えそうな価格で、早く中古機市場に出てほしいと思っています。

    ひげ紳士が語る! 好きな機種&思い入れのある台

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    ――ところで……店内には戦国乙女のグッズがところ狭しと並んでおりますが、お好きなんですか?

    戦国乙女は好きですが、これもシリーズ全体に思い入れがあるというわけではないんです。
    幸チャレを買い取った時、たまたま初代の戦国乙女が設置してありました。その頃にはもう全国でも設置がごくわずかになっていたので、検索してわざわざ遠方から遊びに来てくれるお客さんたちがいたんです。それで、設置の少ない台や世間でクソ台と呼ばれている台にも必ずファンがいるということを学びました。

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    ――あ~わかります!
    (と言って、編集部員たちの好きな不遇台の話でひとしきり盛り上がる)
    ちなみに、ひげ紳士さんが個人的に好きな機種は何ですか?

    店内の“ひげコーナー”には羽根物・ドラム機・ドット機を揃えています。個人的にはああいったアナログ系が好きです。昭和から平成3年ぐらいの羽根物ならずっと打っていられますね。
    今ある機種の中で一番思い入れがあるのは、オリジナルの『CRAコスモパニック10』(愛喜)です。パチ7さんというサイトの企画で、オリジナル盤面を作っていただいて、僕自身が愛喜さんの工場で組み立てました。

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    ――愛喜さんは工場見学も受け付けていますよね。

    はい。僕は以前、埼玉県内のパチンコチェーン店の役員として採用・教育を担当していた時期があったんですが、当時は研修として新卒社員をパチンコ博物館に連れていっていました。今なら愛喜さんの工場見学に絶対連れていきます。やっぱりパチンコ店に勤める人は、パチンコが好きじゃないといけないと思うんですよね。

    ――そもそも、ひげ紳士さんがパチンコを打つようになったきっかけとは?

    18歳の頃に、先輩に誘われてだったと思います。当時は2000円ぐらい持って、ワクワクしながらパチンコ屋さんに行きました。2000円で遊べたんですよ。
    今も店頭に展示してあるんですが、『ローリングマシン』という台が大好きでした。賞球がオール13もあるので、玉が全然減らないんです。

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    ――今では考えられませんね。

    これは業界に入ってからの話ですが、昔は機械代も安くて、新台が8万円とかだったんです。それがだんだん高くなって、お客さんの負担が増えてしまいましたね。なので、なるべく安く中古機を買って、お客さんに楽しく遊んでいただけるよう心がけています。

    パチンコ店を買い取ったきっかけは? ひげ紳士の素顔に迫る!!

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    ――では、幸チャレを買い取ったきっかけは、なんだったんですか?

    チェーン店の役員をしていた頃に東日本大震災と広告規制があって……そこから一時期、パチンコ業界を離れて別の事業をやっていました。その時に幸チャレの元オーナーから“閉めるんだけど、やらない?”と声をかけられたんです。不採算店舗の立て直しを担当していたこともあったので、営業状態の数字だけ見て改善できる点はすぐ見つかり、楽勝だと思っていました。それがまさか、電気や水道が止まりそうな状態になるとは……(笑)。

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    ――普通、そんな状態になったら、動画を配信しようなんて思わないですよね(笑)。
    なにか、きっかけがあったんですか?

    ヤケクソです(笑)。もう潰れるギリギリのところまで追い詰められた状態で、幸チャレP(プロデューサー、動画の声だけの人)に“最後に動画の配信をやってみませんか”と提案されて、“もう何でもいいよ!”とヤケクソでやりました。それで、お店の状態や売上の数字を赤裸々に語ったら、思いのほか反響があって。こんな風に面白がっていただけるとは思いませんでした。

    ――毎週、動画を配信されていますが、撮影はいつやっているんですか?

    営業終了後の夜中です。

    ――ホールスタッフとしての業務やオーナーとしてのお仕事もあるから大変ですよね。休みは取れていますか?

    昨年の秋くらいから今まで、ほぼ休んでいないですね。
    でも、動画を見て遊びに来てくれるお客さんがいるんですよ。営業再開してからほぼ毎日、新規のお客さんがいらっしゃるんです。わざわざ遠くから来てくださる方々に直接お会いしたいので、お店には毎日いるようにしています。

    ――撮影場所に常にいて、行けば会える動画配信者さんって珍しいですね(笑)。でも、休めないのはやはりつらくないですか?

    もともとタフなんです(笑)。体のことよりネタ探しのほうが大変ですね。毎週金曜日に配信していて、もう4年目になるので……。
    実は、一度パチンコ業界を嫌になってしまったのは、お客さんを楽しませることが、できなくなってしまったからなんです。でも、動画は楽しませることができているという手ごたえがありました。僕はとにかく楽しんでほしいんです。だから、動画では“お店に来てください”とは一度も言ったことがありません。

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    ――今、お話していてもそうですが、動画内でもいつも楽しそうですよね。

    楽しいですよ! こんな田舎の小さなお店は常連さんばかりで、新規のお客さんが入りにくい雰囲気になりがちで、ずっと同じ顔を合わせているから、そのうち嫌になってくるんですよね。でも、幸チャレは毎日新規のお客さんがいらっしゃるので、新鮮で楽しいです。

    ――今日いらっしゃった店員さんも楽しそうにお仕事をされていましたが、現在新人の募集はされているんですか?

    募集はしています。ただ、動画を見て“楽しそう”とだけ思って来た人は基本、お断りしているんです。楽しいだけじゃ駄目ですからね。僕も経営者として厳しい面も持っています。

    ――それはそうですよね。では最後に、今後の目標をお聞かせ下さい。

    レアな台を長く使うことで差別化して、お店を長く続けたいです。
    休業に入る直前の土日は、毎回150人ぐらいのお客さんに並んでいただいて、店内も盛り上がっていました。あの状態を今後10年かけて作りたいですね。

    ――これからも頑張ってください。本日はありがとうございました!

     

    以前取材させていただいたオカルト店長さんもそうでしたが、ひげ紳士さんもまさに動画で見ていた通りの人物。気さくでフレンドリーなナイスミドルでした!
    編集部員の印象に残ったのは、「2年で撤去になってしまうのでは短い」というお話です。2年も稼働したら、一般的には十分ではないかと思ったのですが、ひげ紳士さんは違うんですね。このように1台1台の機種、そしてお客さんを大切に想うことこそが、ホール運営のこだわりであり、復活の原動力になったのでしょう。毎日遠くから新規のお客さんがやって来る理由も、わかったような気がしました。

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    P-Summa編集部

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