【取材】北海道でスロット定量制を実施!「パーラーグランデ浦河店」の挑戦

2022/09/20

特集

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    最近、パチスロ界隈では6.5号機の一撃性や、今秋リリース予定の「スマスロ」(スマートパチスロ)の話題で持ち切りですね! しかし、既存の6号機にもそれぞれ魅力があるはず……! そんなことを考えながらTwitterでパチスロの話題をチェックしていたP-Summa編集部員、なにやら面白い取り組みをされているホールを見つけました。

    北海道浦河郡のパチンコホール「パーラーグランデ浦河店」が「スロット定量制」を実施しているとのこと。お店のブログなどを拝見すると、始めたのは2022年6月からで、6号機Aタイプを中心とした定量制コーナーを時おり設けているようです。

    パチンコではたまに見かけますが、パチスロでは少々珍しい定量制。一体どんな想いや狙いがあって運営されているのでしょうか? 店長の鈴木さんにオンラインでお話を伺いました!

    「スロット定量制」を始めた理由とは?


     
    ――本日はよろしくお願いします。早速ですが、定量制を始めた理由を教えてください。

    単純に、パチスロが好きだからですね。

    ――おお……! 「パチスロが好き」ってストレートな言葉、久々に聴けた気がします。

    6号機時代になって、それまでパチスロを打っていたお客様がパチンコに移っていったり、ホールから足が遠のいたりしていく中で、どうしたらまたパチスロを楽しんでもらえるだろうか? と考える日々が続いていました。このまま何もせず、話題機や人気台が現れてくれるのを待つだけでいいのか……と。

    ――今でこそ6.5号機で「パチスロ始まった」なんて言われてますが、それまで重苦しい状況が続いていましたからね。

    定量制という案は、実はかなり前からあがっていて、北海道の他のホールさんが実施しているのを見たのがきっかけでした。

    ――他店を参考にされたんですね。

    面白いことやってるな、我々もやれないか……ということで、具体的にどういう形でやるかを話し合っていたんですが、なかなか意見がまとまらず、実施に踏み切るまで少し時間がかかりました。レイアウト変更など他の案を優先してやっていたのと、北海道の広告宣伝規制の影響もありましたね。

    ――広告の規制はかなり地域差がありますよね。

    北海道はかなり厳しいほうだと思います。それで、定量制が「イベント」になってしまわないよう細心の注意を払いました。具体的には「単日ではなく、ある程度の期間を設ける」ことと「対象を特定の機種だけにしない」、主にこの二点です。「あくまでも遊技の選択肢を広げる」ことが本来の目的ですので。

    ――定量制の狙いはどこにあるのでしょうか?

    一般的に自分が打ちたい台を打つと思うんですが、定量制の対象になっていると、普段打たない台を打つきっかけになると思うんです。「意外と面白いな」とか「こんな演出があったのか」みたいに、今まで触ってこなかった台の良さを発見してもらえると嬉しいですね。

    定量制の運用ルールはどうやって決めた?


    ――「18:00開始」とか「ボーナス(BIG・REG)30回で遊技終了」といったルールはどのような経緯で設定されましたか?

    開始時間は他店を参考にさせていただきました。パーラーグランデの場合、閉店が22:45ですから、18:00スタートだと平均して3000Gぐらいです。3000Gでボーナス30回というのはちょうどいいハードルの高さなんですよね。上限をボーナス回数にしたのは、わかりやすさのためです。「差枚数」という案もあったんですが、お客様にとってわかりにくいのが難点でした。

    ――パチンコの一発台とかならわかりやすいですが、パチスロのAタイプで差枚を正確に把握するのは難しいかもしれませんね。

    もちろん我々はデータでチェックできるので、差枚数での定量制も不可能ではありません。ですが、お客様ご自身がデータランプでチェックできるほうがいいと考えました。

    ――BIGとREGの回数を足すだけだから簡単ですよね。ちなみに、定量に到達した時のフローはどうなるのでしょうか?

    29回に達したところで「あと1回です」とお声掛けさせていただいて、到達したら「おめでとうございます!」という感じです。

    ――なるほど! なんとなく、強制的に終了させられてしまうようなイメージもあったんですが、「おめでとうございます」と言われると嬉しいでしょうね。達成感がありそうです。

    慣れた方だと、自己申告してくださるお客様もいらっしゃいます。

    ――しっかりリピーターがついているんですね!

    Aタイプだけじゃない? 定量制コーナーの対象機種


    ――対象機種はどのように決めていますか?

    2022年8月1回目の対象機種は以下の7機種でした。

    ・S Lucky海物語
    ・新ハナビ
    ・サンダーVライトニング
    ・パチスロうまい棒
    ・華祭
    ・パチスロディスクアップ2
    ・沖ドキ!DUO

    ボーナスのカウントがわかりやすいAタイプを中心に、実施ごとにスタッフで話し合って機種を選んでいます。お客様からのリクエストを参考にさせていただくこともありますね。

    ――リクエストも受け付けているんですね!

    定量制がコミュニケーションツールになっているとも感じます。リクエストだけでなく、「惜しい! あと1回で定量だった!」(笑)とか、おそろしく早く定量に到達して盛り上がるとか……。

    ――おそろしく早かったというと、具体的には……?

    20時頃だったと思います。

    ――ということは、回せても1500Gほどでしょうから、合算1/50ぐらいですね。引きがすごすぎる(笑)。ところで、定量制の対象機種は事前告知されますか?

    いえ、告知するのは「定量制を実施すること」だけで、どの機種が対象かはご来店いただいてのお楽しみです。機種を告知してしまうとイベントっぽくなってしまう可能性がありますので。8月1回目の実施後はブログで稼働ランキングを発表してみましたが、今後も発表するかは未定です。

    ――開催の告知方法はどのようにされていますか?

    SNS・会員様メール・ホームページ・YouTubeなどです。

    ――Twitter、お知らせもされていますが、お店と関係ないこともけっこうツイートされてますね。

    そうですね。SNSはあまり商業的になり過ぎないよう気を付けています。

    ――6月に1回、7月は2回、8月も2回と、かなりの頻度で実施されていますが、反響はいかがでしょうか?

    事前に想定していた以上に良いですね。常連様ばかりでなく、初めていらっしゃる方や遠方からおいでになる方も少しずつ増えています。

    ――ということは、閉店まで全台フル稼働ですか?

    いえ、空き台になることもあります。序盤の展開にかなり左右されますね。

    ――6号機のAタイプって安定するイメージでしたが、短時間だとそうでもないんですね。では、定量制の実施によって、ホール全体への影響はありましたか?

    ありますね。夕方スタートですからそれまで他の台を打ったり、定量制コーナーが満席だったときに空くまで他の台を打ったりと、全体的な稼働はかなり上がりました。

    ――定量制コーナーだけブン回されたら大変なのでは……と密かに心配していましたが、お店全体が盛り上がっているんですね!

    パチンコやAT機の定量制も視野に? 今後の展望を聞いてみた


    ――定量制は今後も実施する予定ですか?

    そうですね。8月は2回やりましたが、今後も月1~2回のペースで続ける予定です。できれば一度の期間をもっと長くして、台数も増やしたいなと。

    ――増やすと管理が大変になりませんか?

    最初にやった6月は6台だったんですが、お客様にも我々にも「足りない」という空気感があって、次の開催では1台増やしたんです。お客様にいろんな台の良さを知っていただくためにも、できれば増やしたいですね。今はAタイプ主体ですが、今後はAT機やパチンコも視野に入れています。

    ――そうなると新たなルール作りが必要ですね。

    そうなんです。実現は当分先になりそうですが、いまルールを色々と検討しています。

    ――定量制をきっかけにほかの台の面白さが発掘されたら良いですね。本日はありがとうございました!

     

    私たち編集部もつい新台の話に飛びつきがちですが、すでにある台の良さを知ってもらおうという取り組みに感銘を受けました。本当にパチスロが好きなんだなあ……と。関東から北海道にフラッと行くのは難しい状況ですが、機会があったらぜひ遊びに行ってみたいです。パーラーグランデの近くにお住まいの方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
     

    P-Summa編集部

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