【取材】出玉バトルイベントも開催!秋田のスロゲーセン「エスパソ」誕生秘話

2023/04/10

特集

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    最近、続々とオープンしているパチンコ・パチスロのゲームセンター。先日の調査では、5号機の人気機種を揃えているお店が多い、ということが分かりました。少し前までは4号機以前が「レトロ台」ってイメージでしたが、もう5号機もレトロ台になりつつあるのかもしれませんね。

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    今回、P-Summa編集部がインタビューさせていただいたのは、2022年12月にオープンしたスロット専門ゲームセンター「エスパソ」のオーナー・新井さんです。秋田県秋田市にある東北地方唯一のスロゲーセンで、約200台という設置台数は日本最大規模! 詳しくお話を伺ってみると、他のスロゲーセンとは違う部分も色々と見えてきました。

    東北地方で唯一のスロゲーセンが生まれた経緯とは?


    ――本日はよろしくお願いします! 早速ですが、「エスパソ」は元々、スロット専門ホールだったんですよね。

    はい、18年ぐらい営業していました。

    ――それがなぜゲームセンターに生まれ変わったのでしょうか?

    5号機時代が終わって6号機時代に入ったころ、売上は全盛期の半分ぐらいになっていました。経費を削ろうにも機械代などが高騰していく一方で、このまま細々と続けるか、いっそ閉店するか迷っていたんですが……このタイミングでスマスロの話が来ました。どれくらい稼働するか未知数なのにかなりの設備投資がかかりますし、ユニットのメーカーさんに聞いたら当時の設置台数210台に対して2台しか用意できないと言われてしまったんですね。これはもう閉店しかないと一度は決めたのですが、今ある設備を解体するのにも莫大な予算が必要とわかり……。

    ――進退窮まった感じですね……。

    そんな時、昨年夏にオープンした岡山のスロゲーセン「ガラパゴス」さんの記事を見つけたんです。ゲーセンなら今の設備を有効活用できると思って、オーナーの光本さんに相談させていただきました。

    ――ガラパゴスは我々も取材させていただきました! 熱い方ですよね、光本さん。
     
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    最近のパチスロ新台って、1台あたり40~50万するのに対して、中古台ならモノによりますが3~4万で手に入るんですよ。「この値段なら買える!」ということで、ゲーセンへの業態変更を決定し、台を集め始めました。それがオープンの3ヶ月前ぐらいだったと思います。

    ――もともとレトロ台コレクターだったり、いつかゲーセンを開きたいと考えていたりしたわけではないんですね。不安はありませんでしたか?

    勿論ありました。でも、ガラパゴスさんをはじめ、上野の「DENDO~殿堂」さんや埼玉の「Butterfly」さんといったスロゲーセンの稼働状況を視察させていただき、その賑わいを見て「行ける!」と感じました。お客様がしっかり入っていた印象です。

    ――諸先輩方のお店を見て、決起したわけですね。ちなみに業態変更をされる際、店名表記をアルファベットからカタカナにしたと耳にしましたが……。

    はい。以前のスロ専のイメージを払拭したかったというのが一つ。もう一つは「ESPASO」より「エスパソ」のほうが敷居も下がるのでは、と考えたためです(笑)。

    スロ専ホール→スロゲーセンへの転生は手作業でおこなわれた!?


    ――スロ専からスロゲーセンへと生まれ変わる過程で、楽しかったことはありますか?

    無い……かもしれません(笑)。

    ――無い!

    経費を抑えるため、工事を自分たちの手でやることにしたんです。今までろくに持ったこともない工具を使って、不要な設備をシマから外し、新しい仕様に加工するというのを、一つ一つ手作業でやりました。毎日、朝8時から夜10時まで、たった2人で……。

    ――めちゃくちゃ重労働ですね……。

    あ! でも、だんだんとスロゲーセンの形になっていくのが目に見えるのは、楽しかったですね。
     


    ――約200もの設置台はどうやって集めたんですか?

    まず、6号機が70台ほどあって、これはスロ専時代からのものをそのまま使っています。残りの約120台、4号機と5号機は新たに仕入れました。入手方法はフリマサイトなど、個人売買がほとんどです。

    ――中古業者から仕入れたわけではないんですね。

    個人売買のほうが安く済みますからね。中には、お客様からのご厚意で譲っていただいた台もあります。たとえば4.5号機の「ガメラ」がそうです。
     


    ――それはありがたいですね! しかし、個人売買となると、台の輸送はどうやって……?

    自力です。4tトラックをレンタルして、東北六県と関東を回りました。

    ――まさかそこも手作業とは!

    ルートを組むのも一苦労でしたね。大型車が通行できる道路や、大型車を停められるホテルを選ばないといけませんから。積み下ろしも自力なので、腰をやらないようにコルセットを巻いて……。

    ――経費削減の鬼ですね……!

    「GOD」や「バジ絆」が人気! ユニバ系5号機を多数設置している理由とは?


    ――台選びの基準や方針はありますか?

    実は自分、以前ユニバの営業をやっていたんです。

    ――そうだったんですか!

    個人的にもユニバの台が好きで、スロゲーセンでもユニバコーナーを作りたいなと思って数を揃えました。余談ですが、営業マン時代にお客様だった方がガラパゴスさんにいらっしゃって、10年振りぐらいに再会したんです。ちょっと運命を感じましたね。

    ――他のスロゲーセンでは、お客さんのニーズを第一にしているところがほとんどでしたが、エスパソは少し違うんですね。

    店舗が大きいので、こだわったシマを作る余裕があるんですよ。GOD系は今よりさらに増やしたいと思っています。やはりGODは見ていて楽しいですから。

    ――GODの稼働はいいですか?

    はい、一番人気は5号機のGOD系です。次点が「バジ絆」ですね。

    ――ご自身の好みで揃えたのに、お客さんのニーズとも合っていたんですね。

    あとは「バイオ5」や、5号機の「マイジャグ」も結構よく動いています。ゲーセンでAタイプが動くのは個人的には意外でしたね。しかも打たれるのは若い方が多くて、二重に驚きです。

    ――確かに意外かもしれません。私なら液晶付きのATやARTを打ちますから。ちなみに、スロ専からスロゲーセンになって、お客さんの様子に変化はありましたか?

    ホールでは時間がもったいないから、多くの方が液晶演出をスキップしますよね。それがゲーセンになると、皆さま一つ一つの演出をよくご覧になっているんです。

    ――なるほど! 言われてみれば、期待度の薄い見慣れた演出はスキップしますね。

    設定は基本的に全6で、6号機は高設定挙動を見るためか、興味津々で打たれる方が多い印象です。よく稼働している6号機は「リゼロ」「絆2」「鏡」「ファフナー」あたりですね。一方、5号機はたまに設定変更のご要望があります。番長を5にしてくれとか……。

    ――番長の奇数高設定は、確かにそそるものがありますね(笑)。

    3000円の終日打ち放題プランがあるので、開店から閉店まで遊んでくださる方も多くいらっしゃいます。ちょっとご飯食べたり、一仕事してまた戻ってきたりとか。出入り自由なのが喜ばれていますね。

    ――そういう娯楽施設ってなかなか無いですもんね。

    それと、ゲーセンにはそもそも「金銭的な勝ち負け」という概念が無いので、皆さま笑顔でご来店いただいて、笑顔でお帰りいただけるのが嬉しいですね。気持ち良く営業させてもらっています。

    ――レイアウトのこだわりはありますか?

    おおよそ、年代が古い順に並んでいます。そうすると、液晶無しからだんだんと液晶が大きくなっていく配置になるんですよ。

    ――店内に設置していない、保管台はどのぐらいお持ちですか?

    今は70台ぐらいです。設置台とかぶっているものもありますし、よそのスロゲーセンさんと比べるとまだ全然少ないと思います。

    出玉バトルイベントの反響


    ――Twitterで、出玉バトルイベントの模様を見たのですが、開催しようと思ったきっかけとは?

    ホールでは皆さま、ヒヤヒヤとか、ワクワクしながら打っていたと思います。あの感覚をゲーセンでも味わってほしいと思って企画しました。

    ――6号機は実物のメダル、4・5号機はメダルレスなんですよね。出玉状況はどのように表示しているのでしょうか?

    ホールコンピュータを使って、モニターで各台の出玉状況やランキングを確認できるようにしています。
     


    ――なるほど。最近、ホールでも「1000枚突破」みたいな札を台に刺せるようになりましたし、今後は札も検討されては?

    あー、いいですね。アイディアありがとうございます(笑)。

    ――あ、なんかこちらこそありがとうございます(笑)。イベントの反響もお聞かせください。

    ご来場される方は普段の1.5倍ぐらいになりますね。こんなに集まるのかと驚いています。バトルでは皆さま真剣に勝負していて、最近では2位でもすごく悔しがっていらっしゃる姿が印象的でした。

    ――イベントの対象機種はどのように選んでいますか?
     


    今は5号機が中心です。4号機を使う場合、設定6だと出玉率が突出して高くなってしまうものがあるので、中間設定にするなど、平等になるよう調整しています。

    新台導入や新イベントの予定も? 今後の展望を聞いてみた


    ――今後はどんな台を手に入れたいですか?

    現状、主に動いているのは5号機ですが、3号機以前のレトロ台にも興味があります。お客様からもたまにリクエストがあるんですよ。あとは、ユニバの台をもっと増やして、出玉バトルイベントの時に「シマ全部GOD」とか「シマ全部バジ絆」なんてこともやってみたいです。

    ――迫力が凄そう(笑)。出玉バトル以外に、何かイベントは考えていますか?

    一度YouTuberさんをお呼びした時、相当盛り上がったので、またやりたいなと思っています。東北のご当地YouTuberさんに来ていただきたいですね。
     


    ――最後に、エスパソをどんな場所にしたいですか?

    「ここに来ればみんなに会える」、「思い出を共有できる」、お客様にそう思っていただけるような場所にしたいですね。今のところ東北エリア唯一のスロゲーセンということで、立地的に競合もなく、のんびりやらせていただいています。でも、ゆくゆくは東北の「観光地」の一つとして認知されたら嬉しいです。

    ――台数が多いと管理も大変だと思いますが、これからも頑張ってください。本日はありがとうございました!

     

    大変な手作業の末、スロ専ホールからスロゲーセンに生まれ変わった「エスパソ」。出玉バトルイベントにはぜひ参戦してみたいなと感じました。東北地方にお住まいの方や別件で近くに行かれる方は、一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
     
    エスパソ ゲームセンター
    住所:秋田県秋田市東通8丁目1−11
    営業時間:10:00~22:00(年中無休)
     

    P-Summa編集部

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