【取材】ライジンマンを生み出したA-gonが仕掛ける次なる一手とは!?

2019/02/27

特集

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    一時期ライジンマンの魅力に取り憑かれ、雷神チャンスのたびに脳汁がほとばしっていたP-Summa編集部員です。皆様は、ライジンマンを生み出した新興メーカー「A-gon」をご存知でしょうか?

    パチンコの玉は「ハンドル」で打つもの。今ではすっかりそんなイメージが定着していますが、A-gon は2015年に「レバー」で玉を飛ばす手打ち式パチンコ『CRA-gon昭和物語』をリリース。「このご時世に手打ち式!?」と世間を驚かせたあとも、『CR GoGoピラミッド』や『CRライジンマン』など、個性的な機種を次々と発表しています。
    それらの画期的なアイディアはどのようにして生まれるのか?
    今の時代にあえて手打ち式を出した狙いは?
    そして、今後どのような機種を世に送り出すつもりなのか!?
    色々と気になることがあったので、思い切って取材を申し込んでみました!

    上野のパチンコメーカー「A-gon」に潜入!

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    ということで、上野某所にあるA-gon本社にやってまいりました! 社名のロゴにレバー! 手打ち式へのこだわりが感じられますね~。今回、インタビューをさせて頂いたのは、営業本部本部長の石井さん。実はこの御方、創設メンバーの1人で、本職は営業ですが、パチンコ開発のアイディアも出しているのだとか!
    まずはA-gon製パチンコ第一号『CRA-gon昭和物語』のお話から聞かせて頂きました。

    手打ち式パチンコ復活! 『CRA-gon昭和物語』

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    ――本日はよろしくお願いします! 早速ですが、今の時代に手打ち式を開発したきっかけを教えてください。

    周知の通り、パチンコ業界は苦境に立たされています。遊技人口がピークの3000万人から1000万人を切るところまで減った今、遊技として再び広く親しまれるものへと回帰するために、パチンコの原点である手打ち式を復活させようと考えました。
    「昭和物語」は15賞球タイプとオール10賞球タイプの普通機です。「GO」を狙って打ち、振り分け役物の下に入賞するとチューリップが解放。最大14連動の払い出しが受けられます。

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    レバーの持ち方はこんな感じで、弾く強さによって玉の勢いが変わります。この台はありがたいことに、レトロなゲーム性が評価され、「パチンコ・パチスロAWARD 2016」でMVPを受賞しました。

    手打ち式+クルーンの融合! 『CRA-gonハッピークルーン物語』と『CRA-gon天空の王求物語』

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    ――2016年にリリースされた『CRA-gonハッピークルーン物語』と『CRA-gon天空の王求物語』にはクルーンを搭載しましたね。

    はい。「昭和物語」は役物の中で一気に玉が落ちていってしまうので、滞留時間を伸ばし、より玉の動きを楽しめるようにと、クルーンを採用しました。

    ――御社がリリースされた手打ち式パチンコは、現状これらの3種ですが、ユーザー様の反響はいかがでしたか?

    ユーザー様からは「疲れる」とか「難しい」と言われてしまいました(笑)。自分たちは開発の過程でかなり打っているので、慣れれば適切な力加減を覚えられるということは知っていたのですが、ユーザーの皆様にはなかなか伝わらなかったようです。

    ――昔の手打ち式を打っていた古参のユーザー様も難しく感じたんですかね?

    ええ、その方たちもすっかりハンドル式に慣れてしまっているらしく、やはり「疲れる」と言われてしまいましたね。
    一方、ホール様からは「売上が取りにくい」というお声をいただきました。一発ずつ打つので、玉の動きを楽しんでいただくという狙いはある程度達成できたのですが、電動ハンドルに比べればどうしても打ち出し速度は落ちてしまいます。

    ちなみに、最初の「昭和物語」は連射しようとすると玉の補給が追いつかないという弱点があったので、「ハッピークルーン物語」と「天空の王求物語」では連射できるように改良しました。上手い人はかなり早いテンポで狙ったところに飛ばせます。そのため、玄人の方が打たれるとかなり高い勝率となるようです。

    ――実は私、手打ち式の経験はあまり無いんですが、御社のショールームで打たせて頂くことは可能でしょうか?

    もちろん良いですよ!

    お言葉に甘えて、試打させて頂きました! 確かに、狙ったところに飛ばすのはなかなか難しいですが、ハンドルにはない自力感が味わえます。入賞口に入った時の喜びは、セブン機では味わえないものがありますね!

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    ちなみに、連続してすばやく同じところに打つためには、ちょっとしたコツがあるようで……。上記画像のように、人差し指と中指で、レバーが下がる位置を固定すると良いようです。

    A-gon初の羽根物機『CR GoGoピラミッド』

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    ――2017年の『CR GoGoピラミッド』で手打ち式からハンドルに戻したのは、ユーザー様やホール様からの反響を受けてのことなのでしょうか?

    そうですね。我々もメーカーなので、ニーズのあるもの、売れるものを作らないといけません。
    『CR GoGoピラミッド』は羽根物タイプで、スタートチャッカー入賞で羽根が開き、拾われた玉がVに入れば大当たり。約2000発を獲得できます。しかし、手打ち式をやめても玉の動きを楽しめるというコンセプトは残したかったので、そこは工夫しました。
    大掛かりな役物を使わずに玉の動きに一喜一憂できるのは何かと考えたとき、重要なのは釘だと思い、今まで見たことのないようなゲージを作ったわけです。

    ――あの「釘のピラミッド」は、かなりインパクトありますよね! ちなみに、もう手打ち式は開発されないのですか?

    いえ、手打ち式で楽しめるアイディアがあれば今後も作りたいと思っていますし、玉の動きを楽しんでいただきたいというコンセプトはずっと変わりません。手打ちは疲れるという弱点も何とか解消できないか、模索しているところです。たとえば、手打ち式とハンドル、両方搭載してしまうとか。

    最近のセブン機は盤面から目を離して、スマホをいじりながら遊技している方をよく見かけますよね。しかし、玉の動きを楽しませるタイプの機種で、スマホを見ている方はほとんどいません。なので、手打ち式やアナログ機には大きな可能性があると考えています。

    ヒット機種『CR ライジンマン』誕生秘話!

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    ――そして、2018年には『CR ライジンマン』が誕生するわけですが、「玉をストックする」という画期的なアイディアは、どのようにして生まれたのですか?

    A-gonでは営業部・開発部の垣根を越えて、自由に意見を出し合っています。営業部隊は開発の難しさや事情を詳しく知らないからこそ新しい発想が出ることもあるのです。たとえば、弊社の社長は、ゲームセンターで面白いマシンを見つけたらパチンコに活かせないか検討したり、旅行先で面白い形の建物を見かけたら役物に使えないかと考えたり、常にアンテナを張っています。「ライジンマン」もそのようにして生まれました。

    この台は7セグの抽選でアタッカーが開放され、玉が3段クルーンを突破してVに入れば約2000発を獲得できる仕様です。

    3段クルーン自体は、某賭博黙示録漫画などでも有名でしたが、当時はまだどこのメーカーも実機で出していなかったので、「それなら作ってみよう」と考えました。しかし、ただ再現するだけではA-gonっぽくないので、玉をストックして一気に流し込むというアイディアを加えたわけです。その発想は本当にシンプルで、1発でもクルーンに玉が入ったら、その動きに釘付けとなる、ならば大量に入ったらより面白いんじゃないか? というものでした。

    ――ライジンマンは玉の動きの面白さだけじゃなく、大量出玉報告でも、かなり話題になりましたね!

    当初は2000台の販売予定だったのですが、おかげさまでホール様からの反響が良く、慌てて部材をかき集め、5000台ほど送り出すことができました。うちのような新興の小さなメーカーでも、良いものを作れば買って頂けるということを実感できましたね。

    一撃4800発! 『CRキングオブダーツ』

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    ――2019年1月にリリースされたばかりの『CRキングオブダーツ』はいわゆる一発台ですね。

    そうですね。『CR ライジンマン』は一定確率で「雷神チャンス」に突入し、連チャンが狙える仕様となっていましたが、当然単発で終わってしまうこともあります。そこで、今度は一撃で4000発以上取れる機種を作ってみました。

    ――ダーツというコンセプトはどこから来たのですか?

    ダーツの「ブル」(ど真ん中)に命中させる気持ち良さと、一発台でVに入賞させる快感はよく似ていると考え、ダーツというモチーフを採用しました。盤面やV入賞口も、ダーツを元にデザインしていますね。これも自由な話し合いの中から出てきたものです。

    ――最後に、これからのA-gonについて聞かせて下さい! ぶっちゃけ、新規則機(CRでなくPのパチンコ台)やスロットは開発されていますか?

    スロットの開発予定は今のところ、ありません。新規則機については、まだ詳しくはお話しできませんが、今までにないようなアナログ機を開発中です。アイディアはたくさんあるので、何ができて何ができないのか、調べ回っている最中です。A-gonは「他がやっていないことをやる」主義なので、ぜひ楽しみにしていてください。

    ――期待しています! 本日はありがとうございました。

     

    A-gonが生み出してきた個性的なパチンコたち。そのアイディアは、社員全員の自由な話し合いのなかから誕生しているようです。前作の反省点を次回作の開発に活かすことも忘れず、常に進化を続けるA-gon。今後出るという新規則機がとても楽しみです。これからも斬新な発想で我々を驚かせてほしいですね!
     

    P-Summa編集部

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